新野氏 喜連川先生は「ビッグデータ」という言葉が広まる以前から、現在の情報爆発のインパクトを予見し、それに向けた技術研究を行う「情報爆発プロジェクト」を主宰してこられました。研究では具体的にどのような目標を定められたのでしょうか。 喜連川氏 2005年に文部科学省の科学研究費補助金特定領域研究としてスタートした「情報爆発」プロジェクトでは、前世紀末から今世紀にかけて生じた情報爆発とも呼ぶことの出来る情報量が爆発的に増大しつつある現象に着目し、そこから派生すると想定されるさまざまな課題を明らかにすると同時に、それに対し情報学研究者の総力を結集し、先進的なIT基盤技術の創出を目指しました。 具体的には大きく4つの研究項目、1つは大量の情報から真に必要な情報を効率良く取り出す「次世代検索技術」、次に、爆発する情報の受け皿となる「システム基盤技術」。3つ目は「人に優しい情報環境の構築技術」、さらに