台湾では閣僚の陳時中・衛生福利部長(左から3人目)や防疫の専門家らが出席して毎日、新型コロナウイルス対策に関する記者会見が開かれている=台北市で2020年2月28日、福岡静哉撮影 新型コロナウイルスを巡り、中国と地理的に近く人的交流も多い台湾が感染拡大の食い止めに成功している。台湾の感染確認は19日夕現在、108人。死者は1人にとどまり、小中高校も通常と同様の授業を続けている。その理由はどこにあるのか。初期対応などについて米スタンフォード大の専門家が分析した。【台北・福岡静哉】 5000人感染の可能性があった 「中国には85万人の台湾人が住み、年間271万人の中国人が訪台する。中華圏の春節で中国から観光客や帰省客が押し寄せる時期も重なっていた。リスクの高さは世界有数で、政府が適切な対策を取らなければ5000人が感染していただろう」。米スタンフォード大予防医療研究センターのジェイソン・ワン主