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  • 【動画】衝撃、チンパンジーが元ボスを殺し共食い

    それはあまりに凄惨な光景だった。ボスとして群れを率いていたチンパンジーが、かつての仲間たちに襲われて、体の一部をいちぎられ、殺されたのだ。 チンパンジーの争いが時に殺し合いに発展することは、研究者の間では認識されていた。10年以上調査されているチンパンジーの生息地ではすべて、死に至る争いが報告されている。しかし、同じ群れの中での殺し合いは極めて珍しい。(参考記事:「人は人をべたのか、4つの事例を読み解く」) この事件は、1月27日付の霊長類学専門誌『International Journal of Primatology』で発表された。元ボスが殺された後の現場の様子を撮影した動画もある。チンパンジーが同じ群れの仲間を殺したという記録は、これを含めてわずか9例しかない。 「とても見ていられませんでした」と、報告書を共同執筆した米アイオワ州立大学の人類学者ジル・プルエッツ氏は語る。「その後

    【動画】衝撃、チンパンジーが元ボスを殺し共食い
  • 新種の寄生バチを発見、宿主を操り頭を食い破る

    新たに発見されたクリプトキーパー。どうやって宿主を操っているのかは、まだわかっていない。(PHOTOGRAPH BY ANDREW FORBES, UNIVERSITY OF IOWA) 新たな寄生バチが発見された。その悪魔のような生態から、混沌を司るエジプトの神セトにちなんでEuderus setと学名が付けられた。通称はクリプトキーパー。“棺の番人”という意味だ。 米国南東部に生息するこのハチは、別の寄生バチであるタマバチの仲間Bassettia pallidaが作った「虫こぶ」に卵を産みつける。虫こぶは、寄生バチの幼虫などが木の一部をふくらませて作る突起で、このタマバチはカシの木に虫こぶを作る。(参考記事:「虫こぶ――虫がつくった究極の芸術作品」) 虫こぶに産みつけられた卵が孵化すると、クリプトキーパーの幼虫は自力でタマバチに寄生してその体を乗っ取り、木に穴を開けて外へ出ようとする。

    新種の寄生バチを発見、宿主を操り頭を食い破る
  • 人間にはない動物たちの驚きの器官7選

    クレナイホシエソ(Pachystomias microdon)は目の下に3色のライトを持っている。いかにも便利そうな器官だ。(PHOTOGRAPH BY THE OCEAN RESEARCH & CONSERVATION ASSOCIATION, INC) われわれ人間は世界を見て回るのが好きだが、時として驚きは自身の体の中からも見つかる。 たとえば腸間膜もその1つ。これは腸と腹壁をくっつけているだけのパーツと長く思われてきたが、新たな研究によると、それ自体を臓器と見なすべき器官だという。 そこで今回は、「他の動物にあって、人間にはない器官」を集めてみた。(参考記事:「自らを飾る驚異の装飾系動物6選」、「見た目とキャラが違っている生き物6選」) 中には、思わず動物たちがうらやましくなるようなものもあるかもしれない。 発光器 魚は発光器を持ち、自ら光を放つことができる生きもののひとつ。中でも

    人間にはない動物たちの驚きの器官7選
  • 【動画】交尾めぐりユキウサギが高速連打の応酬

    英国スコットランドの雪原で殴りあいを繰り広げる3匹のユキウサギ(ノウサギの仲間)。一見、1匹のメスをめぐって2匹のオスが争っているようにも見えるが、ことはそう単純ではない。 「睾丸が見えないので、判断は難しいですが――こうした行動はたいていの場合、オスの交尾の誘いをメスが拒否しているところです」。米フロリダ州にあるマイアミ大学の生物学者、ダナ・クレンペルズ氏はそう語る。「おそらくこの場にいるのは2匹のオスと1匹のメスで、それぞれのオスがメスの気を引こうとしているのではないかと思います」(参考記事:「【動画】ペンギンの夫と愛人の熾烈な戦い」) ノウサギは通常、オス同士で争うことはない。オスのけんか相手はたいていメスで、その内容も他種のウサギに見られる激しい争いと比べるとかなり穏やかだ。(参考記事:「危険なデート、動物たちの過激な愛の形」) 先日YouTubeにアップされた先の動画についてクレ

    【動画】交尾めぐりユキウサギが高速連打の応酬
  • 【動画】セイウチは鳥で遊ぶ、初の報告

    セイウチが海鳥に攻撃を仕掛けている様子はこれまでも確認されていたが、ロシアにほど近いチュクチ海のコリューチン島沖で行われた研究によると、そのうちの一部は、少なくともセイウチにとっては遊びなのだという。74回の観察のうち、鳥が死んでしまったケースは1回のみだった。 セイウチが遊び好きな動物だと聞くと、意外に思う人は多いだろう。専門家でさえ、体重が1.5トンもあるセイウチはアシカやアザラシと違って遊び心に欠けると考えていた。ところが、ロシアにあるサンクトペテルブルク大学の動物学者アンドレイ・ギルジョフ氏が共同執筆した論文によると、セイウチはこれまでほとんど研究されてこなかったために、そのような誤解が生まれたのだという。 そこで、ギルジョフ氏は同僚の動物学者カリナ・カレーニナ氏とともに2015年、ロシア極東のチュクチ海に浮かぶコリューチン島に1カ月間滞在し、セイウチの大群を観察した。浜に寝そべる

    【動画】セイウチは鳥で遊ぶ、初の報告
  • ネズミの喜ぶ表情が判明、くすぐって検証

    最新の研究成果によると、ネズミが喜んでいるかどうか見分ける一番のポイントは耳だ。上機嫌のネズミは耳がリラックスし、外側に向かって寝ているが(写真右)、そうでなければぴんと立っている(左)。(PHOTOGRAPH BY KATHRYN FINLAYSON) ネズミは喜びを感じるのだろうか。判断は難しい。ネズミは人間のように歯を見せて笑うわけではないからだ。 だがこのほど、ネズミ(Rattus norvegicus)が喜んでいるときの表情を、スイス、ベルン大学の動物行動学者ルカ・メロッティ氏の研究チームが見つけ、科学誌「PLOS ONE」に発表した。それによると、鍵を握っていたのは、耳だ。 研究結果によれば、実験室のネズミたちはくすぐられると大喜びして耳がピンク色になるほか、耳の力を抜いて外側に寝かせるのだという。 喜びや幸福感といったネズミのプラスの表情を見つけた研究はこれが初めてだ。これま

    ネズミの喜ぶ表情が判明、くすぐって検証
  • 【動画】「生きた化石」ウミシダの泳ぐ姿が芸術的

    ウミユリの1種であるウミシダは、捕動物から逃げるために泳ぎを身につけたと考えられる。2016年12月9日撮影。 海の無脊椎動物ウミシダがひらひらと泳ぐ、美しく珍しい映像が撮影された。 ウミシダは、ヒトデと同じ棘皮動物。体の中心部を取り巻くように伸びた羽根のような腕を持つ。米ミシガン大学の古生物学教授トマシュ・K・バウミラー氏によると、2億年も前から生存しているという。「ウミシダは、生きた化石と考えられています。とても多様性に富んでいて、その起源ははるか地質学的な過去にまで遡ります」 生息域は広い。世界中、赤道付近から北極や南極地方まで、浅瀬の岩礁から深海まで広く分布するが、とりわけ太平洋の西端、アジアの海がウミシダの「多様性のゆりかご」になっているという。 今回の美しい映像は、オランダのプロダイバー、エルス・ファン・デン・アインデン氏が、東南アジア、タイの海で撮影したもの。すべてのウミシ

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  • 致死量の8000倍の毒に耐える魚、進化の秘密を解明

    汚染耐性のあるマミチョグ(Fundulus heteroclitus)。耐えられる汚染レベルは致死量の最大8000倍にもなる。(PHOTOGRAPH COURTESY ANDREW WHITEHEAD, UC DAVIS) 北米に生息する小型魚マミチョグ(Fundulus heteroclitus)のなかには、米国最悪レベルの汚染水域で一生を過ごすものたちがいる。そこには多量の毒物が溶け込み、ときに致死量の8000倍にも達するほどだ。彼らが生き残るどころか繁栄しているのはなぜなのかが、12月9日付の科学誌「サイエンス」に発表された。 米カリフォルニア大学デービス校の科学者をはじめとするチームの研究結果によると、これら縞模様の小魚は、致命的な汚染にも耐えられるようになる遺伝子の変異のおかげで進化できたという。調査は米国東海岸の汚染度が高い河口4カ所で行われた。他の研究者たちは、この発見は化学

    致死量の8000倍の毒に耐える魚、進化の秘密を解明
  • 世界初、恐竜のしっぽが琥珀の中に見つかる | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    琥珀の中から9900万年前の恐竜の尾が発見されたとする論文が、12月8日に科学誌『カレント・バイオロジー(Current Biology)』に掲載された。尾には、骨や軟部組織だけでなく、羽毛まで残っていたというから驚異的だ。 恐竜が生息していた時代の羽毛が琥珀の中から発見されることはこれまでにもあり、羽毛の痕跡のある恐竜の化石も発見されたこともあるが、保存状態の良い羽毛が恐竜とはっきり関連づけられたのは今回が初めてだ。この発見により、恐竜の羽毛の進化とその構造についての理解が深まることが期待される。(参考記事:「恐竜から鳥へ 羽はどうやってできたのか?」) 中国地質大学の古生物学者リダ・シン氏が率いるこの研究には、ナショナル ジオグラフィック協会のエクスペディション・カウンシルも支援を行っている。 琥珀の中に保存されていた9900万年前の恐竜の尾の一部。羽毛で覆われているのがわかる。琥珀に

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  • 衝撃、ヒョウの共食いを撮影、南アフリカ

    木に登って獲物を引きずり下ろしたあと、ヒョウが立ち止まってヒョウをべ始めた。(Photograph by Sergey Gorshkov) 衝撃的な写真だ。ヒョウが別の1頭の死骸を木から引きずり下ろしている。その後、ヒョウは立ち止まって獲物をべ始めた。 こうして目の当たりにするのは珍しいが、野生のヒョウが共いをする例は多く、専門家はその原因を模索している。よくあるのは、競合を排除し、自分の縄張りを確保するために、年長のオスが若いオスを殺してしまうケースだ。(参考記事:「オスのヒョウの子殺し、撮影に成功」) ヒョウが特にヒョウの子どもを殺す場合、進化論的な理由は明らかです、と大型ネコ科動物の保護団体「パンセラ」の代表を務めるルーク・ハンター氏は言う。「パンセラ」はナショナル ジオグラフィック協会のビッグキャット・イニシアチブと提携している。 「自分と血のつながらない子どもの父親になる余

    衝撃、ヒョウの共食いを撮影、南アフリカ
  • 第1回 世界の「雪男伝説」をDNA鑑定してみた

    なぜヒト属は、われわれ現生人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)ただ1種しか残っていないのか。ネアンデルタール人をはじめとした旧人は、なぜ絶滅してしまったのか。熾烈な生存競争の結果、より辺境の地へと追い立てられた旧人は、やがて人跡未踏の山岳地帯の奥に姿を消す。そこで彼らは絶滅したのではなく、実は息を潜めて住み永らえてきた。 「山の奥で毛むくじゃらの大男に遭遇した」とする雪男伝説が真実味を持つのは、同じような話が世界各地で伝えられているからだ。北米カナダのロッキー山脈では、その巨大な足跡からビッグフットと呼ばれる未確認生物が知られている。その地方の先住民の間では、昔からサスクワッチと呼ばれて恐れられていた。他にもヒマラヤのシェルパやヤク飼いの間で信じられているイエティ、中央アジアのアルマスティ、東南アジアのスマトラ島を徘徊するオランペンデクと、枚挙にいとまがない。 そして、その真偽を突き止めよ

    第1回 世界の「雪男伝説」をDNA鑑定してみた
  • 頭が2つあるサメの報告が世界で増加、原因不明

    2008年にオーストラリア沖で捕獲されたヨシキリザメの子宮内で見つかった双頭の赤ちゃんザメ。(PHOTOGRAPH COURTESY CHRISTOPHER JOHNSTON) 双頭のサメなど、映画の中の作り物のように思われるかもしれない。けれども科学者によると、そうしたサメはたしかに実在し、しかも、世界中で発見例が増えているという。 2013年には、フロリダ沖で捕獲されたオオメジロザメという胎生のサメの子宮内から双頭の胎児が見つかって話題になったし、 2008年にはインド洋でも双頭のヨシキリザメの胎児が発見されている。 2011年には、カリフォルニア湾内とメキシコの北西沖で捕獲されたメスのヨシキリザメの子宮内から発見された双頭の胎児を詳しく調べた論文も発表されている。実は、これまでに双頭の胎児が発見されているサメのほとんどがヨシキリザメだ。2011年の論文で研究チームを率いたメキシコ国立

    頭が2つあるサメの報告が世界で増加、原因不明
  • 【動画】奇虫!サンヨウベニボタルの驚くべき生態

    【動画】マーク・ウォン氏は、シンガポールのジャングルを歩いている最中、奇妙な昆虫を発見した。謎に包まれた甲虫、サンヨウベニボタルだ。(解説は英語です) マーク・ウォン氏がシンガポールのジャングルの中を、アリを探しながら歩いていたときのことだ。丸太をごろりと転がすと、まるでジュラシックパークの世界からはい出てきたような生物が目に留まった。 「最初はキノコかと思いましたが、じきにゆっくりと動き出したのです」。米ナショナル ジオグラフィック協会からヤング・エクスプローラーとして助成を受けているウォン氏はそう語る。 それはサンヨウベニボタルという名の、先史時代の生物によく似た奇妙な昆虫だった。学者たちは200年近くにわたり、この虫の正体に頭を悩ませてきた。 先史時代の三葉虫によく似たサンヨウベニボタル。だが、誕生したのは4700万年前、三葉虫の絶滅から2億年後のことだ。(PHOTOGRAPH BY

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  • ヘビに(今のところ)足がないのはなぜか

    トカゲをべる4足のヘビ(Tetrapodophis)の想像図(James Brown, University of Portsmouth) 足があるのに地面を這うヘビを想像してみよう。かつて、ヘビはそういう生きものだった。しかも、過去には失った足を再び生やしたものがいた可能性もある。だとすれば、なぜそんなことができたのだろうか。(参考記事:「【動画】「ニセのクモ」で鳥をだましてべるヘビ」) ヘビが地面を這うように進化したあとで、足を生やすようにまたいちから進化したのだろうか。それとも、別のやり方だったのか。こうした謎に取り組む2人の科学者が、ニシキヘビにある「ソニック・ヘッジホッグ」と呼ばれる遺伝子のスイッチが鍵であることを発見し、10月20日付の科学誌「Current Biology」に発表した。(参考記事:「「退化」は進化の一環、新たな力を得た動物たち」) ソニック・ヘッジホッグ

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  • 人類最古の右利きの証拠を発見、180万年前

    OH-65と呼ばれるこの上あごの化石は、180万年前に生きていたホモ・ハビリスのものだ。その歯には、最も古い右利きの痕跡が残されている。(Photograph Courtesy The University of Kansas) 人類最古の右利きの証拠が見つかったことが、米国カンザス大学の人類学者であるデイビッド・フレイヤー氏らによって学術誌「Journal of Human Evolution」の11月号に発表された。 その証拠とは、180万年前のホモ・ハビリスの上あごの歯の傷だ。ホモ・ハビリスは、私たちが属するヒト属(ホモ属)の仲間で、240万年前から140万年前にアフリカの東部や南部に住んでいた初期人類だと考えられている。化石が見つかった場所のまわりからは、たくさんの石器も発見されているため、彼らは普段から石器を使っていたとされている。(参考記事:「人類発祥の地は東アフリカか、南アフ

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  • ウーパールーパーが絶滅の危機

    「ウーパールーパー」の名でおなじみの両生類、メキシコサラマンダーが絶滅の危機にさらされている。 数世紀にわたる開発と汚染が原因で、このユニークな生物は現在、メキシコの首都メキシコシティのいくつかの運河にしか生息していない。ナショナル ジオグラフィックのラテンアメリカ版2016年9月号の特集記事によると、このままでは2020年までに絶滅するおそれがあると科学者たちが警告している。 アステカ時代は崇拝の対象だった メキシコサラマンダーは、大きな外鰓(外側に飛び出したえら)を残したまま成熟する珍しいサラマンダーで、体の一部を失っても再生できる素晴らしい能力を持つ。(参考記事:「メスしかいないサラマンダー、驚きの利点判明」) 15~16世紀のメキシコ中央に栄えたアステカ帝国では崇拝の対象であり、首都テノチティトラン(現在のメキシコシティの原型)の盆地に散らばる複数の湖に生息していた。(参考記事:「

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  • 「退化」は進化の一環、新たな力を得た動物たち | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    ナイチンゲール島(南太平洋にある英国の海外領土)のイワトビペンギン。ペンギンの祖先は、約6000万年前に飛ぶ能力を失った。(PHOTOGRAPH BY TUI DE ROY, MINDEN PICUTRES, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) ヌタウナギは、その名のとおりウナギに似たヌルヌルした海洋動物だ(ウナギの仲間ではない)。視力はほとんどなく、おもに嗅覚と触覚を頼りに海底を動き回っている。 このほど、ある研究者が約3億年前のヌタウナギの化石を詳しく調べ、ヌタウナギは大昔は視力があったが、退化でその目が失われたことを明らかにして、生物学界に衝撃を与えた。 この発見は、目の起源に関する通説に異議を申し立てるものだ。現生のヌタウナギは、古代のヌタウナギとほとんど変わっていないため、科学者たちは長らく、視力をもたない現生のヌタウナギの目は、無脊椎動物の原始的な「眼点

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  • 人類は暴力とともに進化、ただし現代は例外的

    コンゴ民主共和国の自然保護区で「スパーリング」をするボノボ。(Photograph by Cyril Ruoso, Minden Pictures, National Geographic Creative) 人間の暴力性は、霊長類の祖先からずっと受け継がれてきたものだという研究成果が9月28日付けの科学誌「ネイチャー」に発表された。それを見て「ほら、当は私たちもただの動物じゃないか」と考えることはたやすいが、そんなに簡単に言ってしまっては動物への理解が足りないようだ。 この研究で科学者たちは、相手を死に至らしめる暴力的な行動事例について調査した。捕者と被捕者など、別種の動物を殺す行為ではなく、共いや子供の殺害、争いなど、同じ種の中で起きたものが対象だ。(参考記事:「【動画】衝撃、子グマをべるホッキョクグマ」) 科学者たちは、トガリネズミから霊長類まで、1000種以上の哺乳類の約

    人類は暴力とともに進化、ただし現代は例外的
  • サルの睾丸、なぜ青い?

    旧世界ザルの中で最も大きいサル、マンドリル。赤道アフリカの熱帯雨林だけに住む、シャイで人前に姿を見せない霊長類だ。(PHOTOGRAPH BY GIULIANO DEL GATTO, ALAMY STOCK PHOTO) マンドリルやサバンナモンキー、パタスモンキーといった「旧世界ザル」のオスは、あそこのアクセサリーを見せびらかす傾向がある。この記事では、「一部のサルは、なぜ青い陰のうを持つの?」という読者からの質問に答えてみたい。(参考記事:男性生殖器に関する5つの研究) なぜあんなに青いのか? まず何よりも、彼らの青い睾丸は、性的欲求不満によるものではない。 また、ヒヒなどの霊長類の性器が赤くなる現象と同じように、ホルモンの変化によるものでもないと、京都大学霊長類研究所の野生生物学者フレッド・ベルコビッチ氏は語る。(参考記事:動物大図鑑:ヒヒ) 青い色について完全にわかっているわけでは

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  • 新種のアリ、毒ガエルの胃から発見

    新たに発見されたアリは体長6ミリほど。アゴは獲物をとらえるのに使われるのかもしれない。(PHOTOGRAPH BY C. RABELING & J. SOSA-CALVO) 新種の発見に挑む科学者と聞くと、地面に残された正体不明の足跡をたどったり、密林を切り開いて進んだりといった光景を想像する人もいるだろう。しかし発見は、時としてもっと身近な場所に潜んでいる。 新種の熱帯アリLenomyrmex hoelldobleriは、エクアドル産の毒ガエルの腹の中から発見され、2016年9月に学術誌『ZooKeys』に発表された。 「小さな悪魔」がべていた 論文を執筆した米ロチェスター大学のアリ研究者クリスチャン・レイベリング氏によると、鮮やかなオレンジ色をしたこの毒ガエルは、通称ディアブリート(スペイン語で小さな悪魔の意、学名Oophaga sylvatica)と呼ばれ、アリを好んでべることで

    新種のアリ、毒ガエルの胃から発見