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ブックマーク / brevis.exblog.jp (15)

  • 「良いデザイン」の工数は見積ることができるか | タイム・コンサルタントの日誌から

    目の前に広げられたのは、30数枚に及ぶスケッチの紙だった。我々の顧客が打合せを終えて帰った後で、そのグラフィック・デザイナーの人が見せてくれたのだ。CI(コーポレート・アイデンティティ)の世界では、かなり名前を知られた人である。彼が顧客に見せたのは、3つのデザイン案だけだったはずだ。ダイナミックでポップなもの、端正で清潔なもの、柔らかで明るいものの3つで、ずいぶん違う印象の候補案を用意してくれていたのに感心したばかりだった。でも、その裏側には10倍以上の半製品があったのだ。 その人は、候補の3案に至るまでの案出しとデザイン展開の結果を何枚もめくって見せながら、どのような発想から出発して、どうバリエーションをつくり、それからどう最終成果物に結びつけたのか、素人の私にたいして簡単に説明してくれた。私は完璧に驚いてしまった。ひらめきから生まれるものとばかり思っていたグラフィック・デザインが、じつ

    「良いデザイン」の工数は見積ることができるか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • お見積りは無料です | タイム・コンサルタントの日誌から

    最近、電車に乗っていると、ときどき壁面上部の広告欄に空きスペースを見かけるようになった。さすがに、つり革広告はまだフルに使われているようだが、少しずつ車内広告の量が減少しているらしい。テレビ局や雑誌社も広告収入の減少で青息吐息の状態だ。 情報というものが無料で手に入る、と広く信じられるようになったのは、20世紀後半のことかもしれない。それまでは、だろうが新聞だろうが、一応の対価を払って手に入れていた。それが、ラジオが普及し、さらにテレビが後を追って、受信料を取るNHKをのぞく民放はすべて無料で番組を提供する時代になった。これは広告という新しい産業のおかげである。私は子供の頃、テレビが家にきたのをかろうじて覚えている世代に属するが、おそらく40代以下の人たちは、生まれたときから家にTVがあって、無償でさまざまな情報が送られてくるのを、空気を呼吸するのと同じ感覚で受け止めているにちがいない。

    お見積りは無料です | タイム・コンサルタントの日誌から
    gothedistance
    gothedistance 2009/02/24
    見積もり用の工数を見込むルールになっている会社多いのも頷ける。弊社はそうです。
  • 採算をとる、とはどういうことか | タイム・コンサルタントの日誌から

    画期的な発明をした。自動車に取り付けると周囲の車の距離と速度を測定し、安全な方向と速度を割り出して自動運転してくれる制御装置だ。カーナビと組み合わせれば、運転中に熟睡していても目的地に到達できるだろう。ドライブと睡眠不足解消を同時に楽しめる。ぜひ商品化して製造したい。ヒットすれば億万長者も夢ではあるまい。 かんじんの製品価格だが、1台20万円というところでどうだろうか。必要な原材料・部品代は、ちょっと見積もってみたら10万円程度で済みそうだ。ただし、この製品を作る製造装置だが、どう考えても100万円くらいかかる。まあ貯金をはたけば無理して買えない金額でもないと思う。置き場所はとりあえず車庫にしよう。文字通りガレージ・カンパニーの誕生である。 さて、意気込んで事業をはじめたが、世界初の商品というものは、なかなか売るのが簡単ではない。知り合いの売込み先3人に断られ、4人目のトラック会社社長にコ

    採算をとる、とはどういうことか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • R先生との対話(2)--日本の製造業の困惑 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「さて、かんじんの日の現状だ。日の製造業の状況を知るには、君の会社のように、世界のあちこちからプラント資機材を調達しているところに聞くのも手だろう。君のところは、日からの調達比率は最近どれくらいある?」 --それは、国内顧客向けか海外向けかでちがいますね。国内のお客さんは、やはり日製品を好まれます。欧米製でも、メンテナンス体制に少しでも不安があればダメ。ましてアジア製なんて論外、という風潮がまだ少し残っています。 しかし、海外のプラントの場合、以前から国内調達比率は1/3程度でした。それも、こんなに円高では、もうじき3割を切るかもしれません。私の勤務先は海外向けプロジェクトが全体売上げの80%以上ですから、もはや基海外調達です。欧米やアジアで機材を買って、中東や南米に運んで建てる、そういう状態です。 「そうか。いまや三角貿易が中心か。昔は(つまり君が会社に入る前の時代は、だがね

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  • 超入門・在庫管理 在庫ゼロは危険な目標 | タイム・コンサルタントの日誌から

    Kさん。丁寧なご返事、ありがとうございました。しだいに工場の生産部門になじんで、活躍を開始されているご様子、何よりです。また、生産管理とは何かという問題について、ホワイトカラーの役割は命令でなく支援である、という小生の考えに賛同いただき、うれしく思っています。 さて、前回の「超入門・生産管理」にも書きましたとおり、私は在庫量ないしリードタイムが生産システムの重要な性能指標である、と考えています。最小の在庫(ならびに最小の欠品)で、顧客の需要にミートすることは、まさしく生産管理の重要課題です。そして最小の在庫量はすなわち、着手から完成までのリードタイムを短縮する重大な手段です。しかし、この課題認識と、「在庫をゼロにすべきだ」という目標設定は、似て非なるものだというのが私の考えです。 あらたに副工場長として赴任されてこられた方が、『在庫ゼロ』を目標として掲げられたとのことですが、Kさんの感じら

    超入門・在庫管理 在庫ゼロは危険な目標 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 契約なんかこわくない(3) 契約の論理の根底にあるもの | タイム・コンサルタントの日誌から

    契約はプロジェクト・マネージャーが設計するものであり、その設計においては三つの重要な原則がある、と前回説明した。それは、「当事者は対等であること」、「自由度が責任範囲を決めること」、「強制力があること」の三原則だ。 「当事者は対等であること」とは、発注者と受注者は来対等な存在であって、権利義務関係は一方的なものにならないよう、主張することができるということだ。第二原則の「自由度が責任範囲を決めること」とは、当事者に許された自由度の範囲を超えて、無限に責任をとらされないようにすべきだ、という原則である。無限責任というものは、近代法の世界では存在すべきではない、と考える。いずれも、弱い立場に立たされがちな受注者を勇気づける原則である。 では、第三の「強制力があること」は具体的に何を意味しているのか? これは、「契約は約束なんだから、自分の言ったことは責任を持って守りましょう」という、ある意味

    契約なんかこわくない(3) 契約の論理の根底にあるもの | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 契約なんかこわくない(2) 契約を設計する | タイム・コンサルタントの日誌から

    あなたは、自分の仕事の契約書を、始めから終わりまで、真剣に目を通したことがおありだろうか。もしなければ、車のローンでも、不動産賃貸借でも、旅行保険でもいい、手近にある契約書を一つ、ためしに頭から全文読んでみることをおすすめしたい。実際に読んでみると、たしかに退屈だが、それほど理解困難ではないことに気がつかれると思う。少なくとも、法律の条文自体よりずっとわかりやすい。なぜなら、そこには構造と意図があるからだ。 契約書というものは、たいていの場合、構成が決まっている。まず最初に、契約の当事者の定義と、言葉の定義がおかれている。それから、契約の中心部分が、簡潔に記述されている。中心部分とは、権利と義務のバランスシートだ。たとえば、Aは製品何々をいつまでに納品する。Bはその代金をこれこれの手段でしはらう、といった形になっている。Aはひとつの義務を履行すると、それにみあう権利をBに対して得ることがで

    契約なんかこわくない(2) 契約を設計する | タイム・コンサルタントの日誌から
    gothedistance
    gothedistance 2008/07/30
    結構こういうの会社では聞けなかったりする。ありがたい。
  • 契約なんかこわくない | タイム・コンサルタントの日誌から

    ちょっと、考えてみていただきたい。あなたは、ある受託プロジェクトのプロマネだとする。受注前には顧客提示の要求仕様案を慎重に吟味し、複数の外注先にも引合した上で、顧客に見積金額を提示し、ネゴシエーションを経て無事受注に至った。ところが、スタート後半年たち、設計がほぼ終わった段階で、あらためて外注先に製造の見積を依頼したら、当初の予算の5割増の金額が出てきてしまった。理由は(例によって)仕様の増大と、昨今の原材料費高騰の影響である。3社引合いを出したが、いずれも同じような回答だった・・・ この状況の時、あなたならどうするだろうか? (1)予算がないので、意中のベンダーに対し「指し値」で交渉する (2)発注経験はないが、安いと評判の新規ベンダーをみつけて発注する (3)中国企業に引合いを行い、オフショア製作にチャレンジする (4)3社の中から発注先を選び、客先には追加予算を請求しない (5)顧客

    契約なんかこわくない | タイム・コンサルタントの日誌から
    gothedistance
    gothedistance 2008/07/30
    一括請負と実費償還は、受託プロジェクトにおける契約の、二大方式である。前者はいわば、「おまかせ」型であり、後者は「お好み」型
  • リードタイムを短縮する | タイム・コンサルタントの日誌から

    リードタイムとは、オーダーを出してから、それが完遂(fulfill)されるまでの時間である。この定義については前回書いたが、さらに正味作業時間との違いについて説明した方が良いかもしれない。あちこちで誤解があるからである。 リードタイムとはあくまでオーダーから完遂までの全体の期間(Gross duration)を示す。生産管理の世界ではつねに総量(Gross)と正味(Net)の二つの量があるわけで、全体期間に対応するのが正味作業時間(Net working time)である。正味時間は、その工順なり作業なりに必要な最低限の時間である。Aという部品1個を旋盤にかけて加工するのに30分かかるとしたら、これがAの加工の正味作業時間である。10個なら、300分かかることになる。 ところが、よく考えてみてほしい。部品Aを10個加工せよ、という製造オーダーが現場に出されて、すぐに作業に着手したとしよう。

    リードタイムを短縮する | タイム・コンサルタントの日誌から
  • リードタイムとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    リードタイムとは、「オーダーを出してから、それが完遂(fulfill)されるまでの時間」のことである。オーダーとは異なる組織間でやりとりする正式な指示であり、いろいろな種類がある。そして、リードタイムはそれぞれのオーダーの内容に対応して定義される。つまり、リードタイムと一口に言っても、その指し示す内容は様々であり、聞き手と話し手の文脈理解の差がある場合は、しばしば誤解が生じやすいので注意が必要だ。 企業間でやりとりするオーダーの代表例は、需要オーダー(あるいは受注オーダー)である。会社によっては単に『オーダー』とも呼ばれる。これは、製品の販売行為に対応する。製品Aを100個売る注文を顧客Zからもらった。納品の納期は来週末だ。こういうとき、需要オーダーが成立する。そして、この需要(受注)オーダーの完遂までの期間が、受注から納入までのリードタイムとなる。今日が月曜日なら、実働日単位では9日間、

    リードタイムとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 頭が良くなる、のを避ける方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    科学者・寺田寅彦の名言に、「頭のいい人は批評家に適するが行為の人にはなりにくい」ということばがある。つづいて、「すべての行為には危険が伴なうからである。けがを恐れる人は大工にはなれない。失敗をこわがる人は科学者にはなれない。」という(元の文章『科学者とあたま』は青空文庫に掲載)。これは今から75年前の発言だが、いまだに全く古びていない。いや、それどころか現代における警鐘として、ますます重要になっているのではないか。 最近ときどき、とても頭の良い、物知りな人に会うことがある。大企業の人に多いが、こちらが何か提起したり、問いかけたりすると、すぐにその先の帰結を述べてくれる。「その線はうまくいきませんよ、市場はむしろ逆の方に動いていますから。」「あの企業が成功したのは、じつは裏に理由があるんです。それは・・・」こういう風につづく。部下が何かをたずねると、たちどころに由来や帰趨を説明してくれる。と

    頭が良くなる、のを避ける方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
    gothedistance
    gothedistance 2008/01/03
    頭の良さというのは、こういうものではない。何が価値があるものなのかを正しく認識できる能力が高いかどうか。
  • (書評) "The Organization And Architecture of Innovation" by T. Allen and G. Henn | タイム・コンサルタントの日誌から

    書評) "The Organization And Architecture of Innovation" by T. Allen and G. Henn The Organization And Architecture of Innovation: Managing the Flow of Technology イノベーション、すなわち革新的なアイデアを生み出すための組織と空間をどうデザインすべきかを論じた、画期的なである。著者は、米MITスローン校(MITのビジネススクール)教授のであるAllenと、ドイツの指導的建築家Hennの二人で、このユニークな組合せが書の性格を見事に物語っている。彼らはこれまで誰も手をつけなかった、組織構造と空間構成がイノベーションに与える影響について、緻密なデータと実績をもとに論じる。書の知恵をうまく生かせば、知的生産性を倍にすることさえ、おそらく

    (書評) "The Organization And Architecture of Innovation" by T. Allen and G. Henn | タイム・コンサルタントの日誌から
  • ロジック・ネットワーク・スケジュールとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    昨年『時間管理術』を執筆していたとき、エクササイズ2「『できる人』の仕事ぶりを見て学ぶ」の節で、時間管理の上手い人の条件の一つに“スケジュールのバーチャートを必ず引いている”と原稿に書いた。そうしたら担当の編集者の人から、「こんな人は普通いませんよ。」とコメントされてしまった。結局、そのフレーズは削除することにした。 そうか、そんな人は普通いないのか。それが私の率直な感想だった。というのは、私のまわりで仕事のできる人は、“そんな人”ばかりだからである。仕事相談をしたら、内容の後に、必ず段取りを決めて、バーチャート(ガントチャート)を描かないと安心できない。そんな人の多いエンジニアリング業界で、私はそれなりの年数働いてきた。しかし、経済新聞社の編集局の人の感覚の方が、たぶんずっと普通だろう。 ところで前にも書いたとおり、最も多くのプロマネが使っているPMツールは、実はExcelなのだという

    ロジック・ネットワーク・スケジュールとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
    gothedistance
    gothedistance 2007/11/28
    クリティカルパスも知らない人がPMやってます、と。
  • マネジメントとはいったい何だろうか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    ある金持ちの叔母さんが亡くなって、その遺産があなたのところに転がり込んだ。遺産とは、彼女がオーナーだった会社の株だ。その会社は、空位となった社長の座を、あなたにやってくれないかと頼みにきた。役員会の決議だという。一夜にしてあなたは経営者になったわけである。 社長室の大きな机に座って、あなたはこの会社の経営状況を理解しようと試みる。ユニークな技術によって専門的製品を作り出し、一定のユーザに認められてきたという。しかし近年、売り上げは伸び悩み、利益は急降下だ。有力な代替技術があらわれたらしい。ユーザの一部は、安価な中国製品に流れている。けっこうピンチではないか。何か手を打たなければならない。 役員会と部長会で、あなたは新社長としてあいさつし、業績回復にむけて力を合せよう、とスピーチする。だが、幹部たちの反応は鈍い。工場長や営業部長に資料を要求しても、言を左右してなかなか報告して来ない。彼らはあ

    マネジメントとはいったい何だろうか? | タイム・コンサルタントの日誌から
    gothedistance
    gothedistance 2007/11/19
    人が動くのは強制か自発。どちらか。
  • 情報技術(ICT)の先行きを占う | タイム・コンサルタントの日誌から

    このサイトをごらんになっている多くの方はお気づきだろうが、私は「革新的生産スケジューリング入門」というホームページと、「タイム・コンサルタントの日誌から」というBlogの二つのサイトをもっている。そして、メインの記事は両方のサイトにほぼ同時にアップしている。いわゆるマルチポストの状態になっているわけだ。おかげで、タイトルをもとにYahoo!で検索すると前者が、Googleで検索すると後者が(ときには両方が)みつかるという、読者にとても不便な状態になっている。 なぜ同じ文章を二つサイトにアップしているのか。その理由は簡単だ。私がExciteにBlogを開設したのは昨年の初めだった。動機は単純で、「タイム・コンサルタントの日誌から」というコーナーをBlog化して、もう少しこまめに更新しようと思ったのだ。それにまあ、遅ればせながらBlogってどんなものか、少しは体験するのもいいかなと考えた。Bl

    情報技術(ICT)の先行きを占う | タイム・コンサルタントの日誌から
    gothedistance
    gothedistance 2007/11/18
    普通の会社が禁止するものは次の世代のICTの主流になる、という歴史的法則があると説く。blog,SNS等のこと。副作用をおそれて薬を飲まなければ、適応力が落ちるばかり。これも名言。
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