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ブックマーク / plaisir.genxx.com (13)

  • 愛するということ / エーリッヒ・フロム

    Nikon FM3A / Ho Chi Minh / Vietnam. 上の写真はベトナムを旅しているときに撮ったものだけれども、心底素敵な光景だった。記念写真を撮るために、思い切り着飾って、精一杯の撮影場所を選択して、微かに緊張しながら笑みをたたえ、二人が共に刻む現在の痕跡を粒子として定着させようとする。写真に密度が充満する瞬間だ。さて。「愛」とは何だろうか。「愛する」とはいかなる行為だろうか。今日は1956年に出版されたエーリッヒ・フロム(Erich Fromm)の名著、“The Art of Loving”(直訳すれば『愛の技術』)を少しだけ書評してみたい。「愛」という概念を通して、人生そのもの、いかに生きるべきかを論じた。人間ならば、誰であれ、かならず一度は目を通しておくべき書物だと感じた。 いちばんベタに考えれば、恋とは求めること、愛とは与えること、といえるだろう。そうだ。その

    愛するということ / エーリッヒ・フロム
  • 恋愛の権力論

    Ricoh GX100 / Nagoya. 「それはあんたが悪いよ、常識的に考えて」と彼女は言った。「なんでわかってくれないの?あなたの将来を思って言ってるんだから。わたしは絶対に間違ってない!」と彼女の飛沫が飛んだ。ふぅ。恋愛ではしばしばバトルが繰り広げられる。自分の意図に従って相手を方向付けようとする。だれもが自分にとって居心地の良い(comfortableな)状態を作りたい。だから、自分にとって居心地の良い態度・振る舞いを相手がしてくれるように、仕向けようとする。電話の回数といった些細な問題から、将来に関する意志決定という根的な問題まで、大小さまざまな闘争が実行される。 「自分のためじゃない、相手をのためを思って言っている」とあなたは主張するかもしれない。けれども、なぜ「相手のため」にもの申すのかといえば、あなたが相手の行動に対して違和感を感じるからだ。あなたが不快に感じる何かしら

    恋愛の権力論
    grass7269
    grass7269 2009/10/28
    ルーマンの社会学、3種類の権威。ポジティブな、ネガティブなサンクション、そして「不確定性の吸収」による権威。「好き」だから、相手を無批判的に受け入れられる。恋愛は、特権的な権威が許された、希有な場所
  • 文脈をズラしてセックスをする/同意と拒否のはざま

    Ricoh GX100 / Shibuya / Tokyo. むかし深夜にテレビを観ていたら、島田紳助がひどい顔をしてこんなことを語っていた。 「たとえば女の子とはじめて飲みに行くとするやん。夜もふけて、ええ雰囲気になってきて、さぁラブホテルにでも連れていって一発美味しいことをしたいとするやん。どうやって口説けばええか、そのコツをしっとる?知りたいやろ。それはな、絶対に”ホテル行かへん?”とか女の子に同意を求めたらあかん。絶対にあかん。女の子は”自分が軽い行為に同意した”とか思いたくないねん。”自分は軽い女だ”と思うのが嫌やねん。だから、”ラブホテルに行くのは仕方がないんだ、自分のせいじゃない”と思わせられるような仕掛けをせなあかん。そのためには、ゲームやね。簡単なゲームをして、”もし俺が勝ったらラブホ行こ”ってなルールを作っておく。もし女の子が負けてラブホへ行くことになったとしても、その

    文脈をズラしてセックスをする/同意と拒否のはざま
    grass7269
    grass7269 2009/10/17
    リフレーミング(文脈の再定義)という基本テクニック。同意と拒否の間のグレーゾーンの豊かさの利用価値。面と向かって同意を求めず、自分の意志で選択したと思わせない同意のさせ方。
  • ラブホテル進化論 / 金益見

    Nikon FM3A / Agfa Vista400. イロモノ系ブログとしてこれは外せないので、書評。金益見著、『ラブホテル進化論』(文春新書)。ラブホテル進化「論」というタイトルは誤りで、ラブホテル進化「史」という題がふさわしい。丹念に集められた写真やインタビューなどの資料は日の過去を知る上で極めて面白いものの、ラブホテルの進化を駆動させてきた、背景にある原理(≒構造)をていねいに実証しようとする気概はあまり感じられない。「学問」としてみれば甘めで、どちらかといえば新聞の文化欄の特集記事を読んでいるような味わいだけれども、それなりに楽しかった。 とにかく、このは、そこそこの成功をあらかじめ約束づけられた書だと思う。1.多くの女性はあえてこのを買わないだろう。2.若い男性は、著者の分析が甘くても、70s~80sまでのラブホテル全盛期についての記述を読むだけで、ワクワクしてしまうだろ

    ラブホテル進化論 / 金益見
    grass7269
    grass7269 2009/10/17
    『ラブホテル進化論』はチェックしたい。「論」ではなく「史」らしい。
  • Festa Dos Deuses / Hermeto Pascoal

    今まで紹介してきたアルバムの中である意味史上最強な1枚をご紹介。耳が焼き尽くされるほどおすすめ。「変態変拍子プログレ大魔神」との異名を取る、エルメート・パスコアルのFesta Dos Deuses(邦題『神々の祭り』)という1枚。1998年作で、ジャンルはブラジリアン変態プログレジャズフュージョンポップ。サウンドの大サーカスと言われようとも、奇蹟の劇場型天才だと呼ばれようとも、ザッパを凌ぐ奇人だと名指されようとも、そんなのはどうでもよくて、まぁとにかくこの1枚というかこの人の音を聴かずに「No music, no life!」とか語るヤツは頭をマルコメXにして出直してこい逝ってしまえってほどにインパクトの強いアーティスト。詳細はあとで書くとして、まずはこの美しい音楽のYoutubeを再生しながらどうぞ(このYoutubeのパスコアル音楽はかなりオーソドックス、でも映像は掻き立てるものがある

    Festa Dos Deuses / Hermeto Pascoal
  • 西洋音楽史 / 岡田暁生

    Ricoh GX100 / Nagoya. 『西洋音楽史―クラシックの黄昏』の書評。これは素晴らしく素晴らしい新書。「お買い得」というほかない。ベートーヴェン、マーラー、ドビュッシー…クラシック音楽について、浮島のように断片的な作曲家の知識と視聴経験しか持ちあわせていない自分みたいな人間にとっては、非常にありがたい一冊。なぜならこのは、著名な作曲家の生い立ち、苦難の人生、作曲技法、代表的楽曲を時系列的に解説したではないからだ。著者の述べるとおり、「このの主役は西洋音楽の「歴史」であって、個々の作曲家や作品ではない(p.ii)」。たとえクラシック音楽にそれほど興味がない人でも、「歴史」を知る悦びに包まれながら、おそらく書を読み通すことができるだろう。「歴史」はみんなのもの。ロックやポップスしか聴かないあなたこそ読むべきです。 わたしたちが大好きな「今」の音楽は、脈々とした音楽史の歴史

    西洋音楽史 / 岡田暁生
  • 人はなぜ笑うのか / 笑いの進化論

    Ricoh GX100 / Azabu / Tokyo. むかし講談社のエントリーシートを書いていたときのこと。おぼろげな記憶だけれども、たしかこんな設問があった。「あなたが人生で一番笑った瞬間はどんなときでしたか?わたしたちにも面白さが伝わるように、その経験を教えてください(800字)」。わたしたちにも面白さが伝わるように…伝わるよう…伝わ…わらわらわらわら…あれこれ頭を絞ったけれどちっとも出てきやしない。Google先生に必死でお伺いを立ててみたけれど、どの話もそんなに面白いとは思えない。そして悶絶したまま朝を迎えた。やばいな俺。人様に語ることができる笑いの経験すらないのか…。いや、それはちがう。そのとき心底こう思ったのだ。大爆笑はそれなりにしてきたけれど、状況だけを取り出してそれ自体がすごく面白いと言えるような出来事は経験していないのだな、と。誰かと一緒にいるから笑えるのだ。一緒にい

    人はなぜ笑うのか / 笑いの進化論
  • JazzBar&招き猫 サムライ / 新宿

    良いお店、なおかつお店のホームページについているSBM数的にまだあまり知られていないようなのでご紹介。JazzBar&招き サムライというジャズカフェ・ジャズバー・招き博物館。東京にサブカル的なディープ・スポットは数多あれど、これほどアクセスの良い場所は他に知らない。ディープなお店は駅徒歩10分が相場だ。ところがこのサムライは新宿駅東南口を出てすぐ、徒歩1分。ルミネのスタバに行くくらいならば、迷わずここへGo。新宿で下北沢的「ゆるさ」に癒されたいとき、あるいは読書したいときにも最適。 ジャズ喫茶・ジャズバーは2極分化する傾向が強い。一方の極には、ジャズの深い理解・昭和の思想と伝統に裏打ちされた自負を強くもつ四谷いーぐるのようなジャズ喫茶が(マスターのはてなダイアリー)。これは真のジャズ好きのための場所だ。他方の極には、ジャズ喫茶独特の敷居の高さを下げて幅広い層に利用してもらえることを目

    JazzBar&招き猫 サムライ / 新宿
  • 歌を奏でるしかない

    Nikon D40/ Ishikawa pref. はじめはブラウザーのブックマークからお気に入りのサイトを訪れていた。次に、はてなアンテナを試した。そして現在、いわゆるRSSリーダーと呼ばれる情報収集ツールを使うようになった。たしかに、情報収集効率が飛躍的に上がった。しかし同時に、「しんどさ」も増えたと思う。RSSリーダーの特異な点は、「未読記事数」という形で強烈なノルマを課してくることだ。放置すれば未読数が増えるし、未読数が増えるとイライラする。そしていつの間にかネットブラウジングに膨大な時間を消費するようになっている。これは率直にやばいよね、といつも思う。 根的なところに立ち返りたい。「タダで(ネット上に)書かれた文章はあくまでそれなりのもの」。これは誰が何と言おうと大原則だ。1冊のを書こうとするならば、著者と編集者は、膨大な時間と労力を投入する必要がある。ネット上に文章を書く場

    歌を奏でるしかない
  • YoutubeでたどるClub Jazzの歴史(入門編)

    クラブ・ジャズ入門。ネット上にクラブジャズを解説したまともな日語コンテンツが存在しないようなので、今回は「クラブジャズとは何か」を明快に・簡単に・誰でも把握できるよう説明してみます。Youtubeの動画を付けて、なじみのない人にも興味を持ってもらえるよう、極力工夫します。おしゃれチックな居酒屋で流れているジャズが居心地良くて好きで「なんとなくジャズに興味があるけど初心者には取っ掛かりがなく小難しそうでよくわからないからそのままだ」というあなたに。マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンに象徴されるモダンジャズの愛好家で、「クラブ・ジャズは所詮流行りモノであって真のジャズの名に値しない」と軽く考えているあなたに。「菊地成孔を通して難解さがエロスを醸し出すジャズの世界に興味を持ったけれど、それ以上ジャズの世界が広がらない」というあなたにも。なお、このエントリーは、最高峰のジャズDJでありクリ

    YoutubeでたどるClub Jazzの歴史(入門編)
    grass7269
    grass7269 2008/10/05
    12/15 何度かチェックしたい!
  • <現代の全体>をとらえる一番大きくて簡単な枠組み / 須原一秀

    Ricoh GX100 / Yurikamome Line / Tokyo. 「哲学とか思想とかごちゃごちゃ小難しくてよくわかんないしイライラくるし正直どうなの?と思うけど、なんとなく気になることもある」などと考えている人が真っ先に読むべき。須原一秀著、『<現代の全体>をとらえる一番大きくて簡単な枠組み』の書評。これは超おすすめ。現代社会について考えたいとき、哲学・思想にとくに興味のない人がこれくらい押さえておけば気が楽になれる、という最低限の枠組みはこれしかないでしょう。「宮台真司とか東浩紀が現代社会を分析した文章は物語として面白いけど、でもその<ものの見方>を俺に押しつけられちゃかなわんよね!」と斜に構える自分みたいな現代人に贈る、とっておきの一冊。(「わかってる人」には物足りないかも) 劇場的に図式を単純化することによって、須原さんは「一時間半で<現代>を把握する(p.1)」ことを

    <現代の全体>をとらえる一番大きくて簡単な枠組み / 須原一秀
    grass7269
    grass7269 2008/05/24
     よくよく念頭に置いておくべきこと。
  • クラブ初心者ガイド

    Ricoh GX100 / perfume. クラブの政治学というエントリーを書いたので、せっかくだから、クラブ初心者向けのベタなHow-to記事を書いてみる。もし興味あるけど行ったことがない人がいるならば、あの独特の空間を(一度は)味わってみてもらいたいと思うから、しばし入門記事にお付き合いくださいな。 「クラブ 初心者」でググるといろんな記事が出てくるけれども、それらの記事は、どれもが(前回の記事で言う)<包摂>の論理(<仲間意識>の論理)にもとづいて書かれている。つまり、ある意味、生ぬるい。記事は、徹底したリアリズムの観点から書いていきます(もちろん、ググって出てくる記事には親切に書かれたものが多いので、そちらもぜひ)。ただし、自分の趣味上の問題で、B系のHiphopとかレゲエ中心のクラブについてはよくわからない(から扱えない)ので、その点はご了承を。 Q:クラブって何するとこなの

    クラブ初心者ガイド
    grass7269
    grass7269 2008/03/02
    行ってみたいなぁ...
  • YoutubeでたどるHouse Musicの歴史

    ハウス・ミュージック。このBlogではあまり触れないけれど、流行ってますねぇ。DJ Kawasakiを筆頭に、Studio Apartmentとか、Daishi Danceとか、Free Tempoとか、街に出ればハウスを聴かない日はないもんなぁ。沖野修也チルドレンのDJ KawasakiはViViモデル(最近はSpringにも出ているらしいけど)の藤井リナを利用して若い女の子層にアピールしていたり、Avexがトランスの次に流行らせようとマーケティングを仕掛けていたり。まぁ、今クラブで一番可愛い女の子が多いのは、間違いなくハウスのイベントですよね。最強のモテ系ジャンル。もちろん、流行っているからダメというわけじゃなくて、個人的に大好きなハウスのアーティストはたくさんいるし、なんといっても、クラブ系音楽で一番馴染みやすいし踊りやすいから、貴重な存在だといえる。 で、Houseのことをもう少し

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