『きたきた捕物帖/宮部みゆき』書籍/2020/PHP研究所 ●Designer:こやまたかこ ●Illustrator:三木謙次 今回は書籍『きたきた捕物帖/宮部みゆき』の使用フォントをご紹介。本記事はデザイン構成において重要な「フォント」の選定プロセスや加工方法を、貴重なプロの実例から紐解いてデザイン制作に役立てる連載です。 のびやかな文字に動きをつけて親しみやすく下っ端の見習い岡っ引きで、本や小間物を入れる箱を売る「文庫売り」で生計を立てている北一が、相棒の喜多次と出逢い、さまざまな事件や不思議なできごとを解き明かしながら成長していく連作時代ミステリー『きたきた捕物帖/宮部みゆき』。 タイトルに「書きつけ」の意味を持つ「帖」が使われていることからも分かるように、肩肘張らず読める内容になっている。表紙カバーでは、そうした作品の楽しさ、親しみやすさが、ほのぼのとした装画や、のびやかで動きの