左のパネルは聖アントニウスの伝説的な飛行と墜落を描いている。空では聖人は多くの悪魔から攻撃を受けて打ち倒されている。下部では聖人の洞窟(または売春宿)があり、入口が洞窟の中に四つん這いで入る男の後ろ姿の形に削られている。神聖な祭服を着た悪魔と鹿に率いられて、不敬虔な行列が売春宿に向かう道を教えている。前景には疲れ果てた聖アントニウスがいて、墜落後、僧侶と平信徒に支えられている。後者は伝統的にボス自身とされてきた。凍った湖に架けられた橋の下には3人の人物がいる。そのうちの1人は僧侶であり、手紙を読んでいる。また湖には鳥の姿をした悪魔がスケート靴を履いて滑っている。そのくちばしには、「太った」と書かれたカルトゥーシュをくわえている。これは聖職売買のスキャンダルへの言及である可能性がある。 右翼パネルは聖アントニウスの観想を表している。伝説によると、空を飛ぶ魚に乗った2人の人物はサバトに参加する