安全はコストの問題だ。 ものごとをより安全にしようと思ったら、お金なり、時間なり、手間なりをかけなければならない。コストをかければかけるほど、安全にはなる。ただし、コストをかけたほどには安全にはならなくなっていく。 たとえば、落ちたら死ぬような崖があるとして、崖があることを知らずに落ちる人がたくさんいるとする。 そこに、「この先、崖あり。危険」という立て札を立てる。かかるコストは大したことないけど、それを読んだ人は、まず落ちない。コストに対する効果は大きい。 しかし、立て札を読まない人は落ちる。そこで、さらに、ロープを崖前面に張り巡らせる。ロープに気付いて命拾いする人もいるだろうけど、ロープのあるところまで来る人は、立て札を読まない人に限られる。効果は立て札ほどではないと言える。 それでも、ロープを超えて落ちる人もいるかもしれない。それを防ぐために、さらに、高い柵を作ったとする。立て札を見