社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 いやぁ、松田さんの論文を改めて読むと、すごい人だなということがひしひしと伝わってくる。この論文からは国家と社会の関係を考えるときに、非常に大きな示唆を得ることが出来ると思う。 普通は国家と社会の関係を一足とびに考えるんだけれども、ここでは中間組織、すなわち「団体」がその間の媒介項になっている。社会っていったとき、実はとらえどころがない。実際の社会は境界が曖昧だからだ。ところが、形式的な社会、つまり、クラブのようなものであれば、境界がはっきりしている。それが団体である。たとえば、友愛会はfriendly societyの訳である。つまり、社交クラブもまた社会の一種である。 社会を有機体と捉える見方には、簡単に反対を唱えやすい。そんなもの実体が