02:12 | 伝統的人口転換理論による、人口減少社会の分析 ― 少子化の脱出に向けて ― キーワード: 少子高齢化 少子化 高齢化 人口減少社会 人口転換理論 1.はじめに 本稿は、日本における人口問題、とりわけ少子化について分析するものである。2010年現在、日本を含む先進諸国は、少子化と、それによってもたらされる高齢化に悩まされている。フランスなど、少子化対策において優等生として扱われる国は存在するが、合計特殊出生率が人口置き換え水準を上回ることによってコンスタントに人口増加を可能にした先進国は2010年現在、登場していない。 本稿では少産少死である先進国の人口減少の状態と、発展途上国の多産多死・多産少死の状態を比較し、分析する。本稿が着目するのは、工業化・都市化がもたらす少産少死の状態により、少子化が進む先進諸国と、多産多死・多産少死の状態にあり、人口が増加している発展途上国の人口