小嶋進氏 1953年、宮城県生まれ。2005年に発覚した構造計算書偽造問題で詐欺容疑に問われる。06年に逮捕され、300日以上の勾留を受ける。11年、最高裁で懲役3年、執行猶予5年の刑が確定。その後も無実を訴え、15年に『偽装:「耐震偽装事件」ともうひとつの「国家権力による偽装」』(金曜日)を刊行。 2005~06年にかけて世間を揺るがした構造計算書偽造問題。その渦中で連日注目を集めた不動産会社ヒューザーの元社長・小嶋進氏は当時を振り返り、「中途半端にまじめだったのがいけなかった」と語る。現在は太陽光発電事業に携わる小嶋氏。何が彼を再び奮起させたのか。 「経済人としては、私はもう完全に死んだものと同じだ。事件後の10年間、住人に気持ちよく暮らしてもらうことだけを考えて暮らしてきた」 都内の不動産会社で取締役を務める小嶋進氏はそう語る。2005~06年にかけて、小嶋氏はある事件の渦中にいた。