今年3月25日、全国の書店などで『小保方晴子日記』(中央公論新社)が発売された。筆者はややうんざりしつつもそれを読み、自分なりに分析したことを『AERA(アエラ)』4月23日号に書いた(『AERA dot』4月17日付に転載)。 その結末で筆者はこう書いた。日記にあるのは「科学に詳しくない読者を同情させたり誤解させたりする記述ばかり」で、「STAP細胞事件は生命科学と研究倫理にとってきわめて重要で、忘れるべきではない。しかし小保方さんのことは……もう忘れよう」と。 ネット上では予想通り、「なら書くなよ」という、もっともなツッコミがあった。にもかかわらず、またもやここで『小保方晴子日記』について言及するのは、この事件で問われたことをもう一度確認しながら、『日記』で書かれていることと書かれていないことを指摘しておくことには、ある程度の意味があるかもしれないと思ったからである。 以下、『AERA