デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みでは素早いサービス開発が欠かせない。足かせになるのが既存システムの保守性の低さだ。プログラムの見通しの悪さや品質の低さをどう改善するか。「永遠の課題」と逃げていてはDX時代を生き残れない。 「潜在バグ」をAIが修正 開発スピードの向上と高い品質の両立――。相反する課題を解決するための取り組みが富士通研究所で始まっている。Javaプログラムのソースコードを静的解析して「潜在バグ」を見つけ、その修正案をAI(人工知能)によって提示する取り組みである。 潜在バグとは一見正しく動いているが、処理速度を低下させたり、プログラムをある条件で誤動作させたりするバグを指す。一般にテストで見つけるのは難しいとされている。 これに対し、富士通研究所は潜在バグを正すAIツールのプロトタイプを開発した。2019年8月から三井住友フィナンシャルグループや三井住友銀行