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ブックマーク / note.com/shinshinohara (14)

  • 金持ちイジメに見えて金持ちに有利になる世論誘導|shinshinohara

    もう二十年ほど前から「東大に進学するのは裕福な家庭」という報道が繰り返されている。そしてそのことを知っている人は非常に多く、今や常識。そのためか、街角インタビューでも「どうせ東大生は金持ち出身なんでしょ、だったら学費上げても構わないでしょ」という意見が。 これは恐らく「金持ちからはふんだくったらいい、ざまあみろ」という報復感情も多少手伝っているのだろう。 しかし実態は逆になる。金持ちには150万円の学費なんか痛くもかゆくもない。しかし貧困家庭ではとても支払えない金額。単に貧困家庭を大学という学歴から締め出す効果しか起きない。 これと似たことが政治でも。日では「政治家はカネに汚い」というイメージがある。どうせ権力を利用してお金儲けしてるのだし、元々金持ちだろうから、政治家は無給にしてタダ働きさせればいい、という意見がしばしば出る。これを、金持ち政治家に一矢報いるアイディアくらいに思う人が少

    金持ちイジメに見えて金持ちに有利になる世論誘導|shinshinohara
  • 体験欠乏症|shinshinohara

    お金もらうわけにいかないし、晩飯だけべさせて」という約束で家庭教師をしていたことがある。指導することになったその子の状況について、家族全員に説明していたところ、その子の妹が不思議そうに「なんで文章みたいに話せるの?」と聞いてきた。 その家族の会話は、ほとんど単語で終わっていた。「ねえ、○○は?」「おい、△△しろ」その場の状況から察することができるから、単語で事足りる生活をしていた。状況から察する能力があるのだから、頭は悪くない。ただし、言葉を鍛えられる環境にはなかった。 もちろん家族の誰も、を読む習慣がなかった。「文章」と出会うのは、学校の教科書くらい。そんな生活環境の中で、私のように「文章」のように論理を組み立ててしゃべる人と出会って、その妹は驚いたようだ。 そのような生活環境で言葉を鍛えることができるかというと、難しい。言葉を鍛えなければ、学校の勉強についていくのも難しくなる。何

    体験欠乏症|shinshinohara
  • 引っ越し繰り返すとマイナカードが取り上げられる?|shinshinohara

    辻󠄀由起子さんからシェアの許可を頂きました。 読んだあと、開いた口が塞がりませんでした。 国の方、どうにかして下さい。 ・・・・・ 貧困の連鎖は、国がつくっている。 【政府より、電力・ガス・料品などの価格高騰対策として、住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり3万円を給付する基的な方針が示されました】 知ってました? 引っ越しを数回したら、マイナンバーカードを行政に取り上げられる…というコントみたいなルールがあることを🤣 カードの記載欄が、住所変更でいっぱいになるから…が、理由ですって(笑) マイナンバーの存在意義って…?(笑) 取り上げられた後、自ら、再発行の手続きが必要です。事務処理は2か月半。 https://www.city.kita.tokyo.jp/mynumber/kumin/card04.html?fbclid=IwAR2VwdwKSqkHMZb9nI1e-RBe5-p

    引っ越し繰り返すとマイナカードが取り上げられる?|shinshinohara
  • 先回りすると興味を失う、後回りして驚くと興味を示す|shinshinohara

    子どもが興味関心を失う大きな原因に「先回り」があるらしい。 自分が子どもの頃、大好きだった図鑑があって、「これ、お父さんが大好きでよく読んでいたんだ」というと、一つも読もうとしなかった。 ところが知人がくれた図鑑は擦り切れるほどに何度も読んで、私にその知識を披露してくれた。 私の勧めた図鑑を手にとろうとしなかったのは、私がその図鑑の内容について詳しいからだろう。ということは、その図鑑から知識を仕入れて親に披露しても、親は「ああ、知ってる知ってる」という反応しかしないだろう、それどころか追加の知識も披露して自慢するだろう、と嫌気がさしたのかも。 「名探偵コナン」が大好きな息子。そこにたびたび三国志エピソードが挟まるのに興味をもち、「三国志読んでみたい」と言い出した。三国志好きな私はそれで嬉しくなってしまい、熱く語ってしまった。そこから息子はマンガ三国志を読まなくなってしまった。私が詳しいこと

    先回りすると興味を失う、後回りして驚くと興味を示す|shinshinohara
  • 「分割して統治」された日本|shinshinohara

    欧米には「分割して統治せよ」という統治術がある。ベルギーはルワンダを植民地にしたとき、鼻の高さなど些細な違いを理由にツチ族とフツ族に分け、片方を優遇することでいがみ合わせた。これが後の虐殺を生む原因ともなった。 国の内部でいがみ合わせると、統治者への憎しみが分散する。 「まさか」と思いつつも、もしかしたら日で「競争原理」を流行させ、正社員と非正規社員とに分断し、いがみ合わせ、労働者がまとまらないように仕向けたのも、日の活力を奪い、その間に漁夫の利を得る「統治者」による現代的な「分割して統治せよ」なのかもしれない、という気がする。 日の強みは労働者が強いことだった。しかも会社への忠誠心も厚いという特徴があった。戦後、労働運動が盛んで会社と労働組合との衝突が絶えない中、カネボウは企業と労働者は同じ船に乗る運命共同体だとした(労使運命共同体論)。ここから、労使協調して企業の発展に尽くすとい

    「分割して統治」された日本|shinshinohara
  • 竹中平蔵氏はひどく賢い|shinshinohara

    竹中平蔵氏はひどく賢い人だと思う。「頑張る人間には報い、そうでない人は淘汰される、それが競争社会、これからそれがますます加速する」と主張。この論理は実に巧み。高給をもらっている人は「自分が頑張っているからだ」と自信を深める。貧困にあえぐ人は自分に力がないからだと自らを責める。 しかし有能だとされて高給をつかむのはごく一部。そうでない人は派遣社員や契約社員などになるしかなく、正社員でも給与水準を下げられ。こうすると、高給取りと正社員と派遣・契約社員とが互いにいがみ合う。労働者同士で反目し合う。「協働」が難しくなってしまう。 「これから競争社会になる」と言えば竹中氏に非はなく、世の中が勝手にそうなるのだと、世界のせいにできる。 こうした構造を作った上で、派遣会社の会長におさまり、派遣社員から上前をはねて自分の収入にする。実に賢い。 また、労働者同士がいがみ合い、反目し合う中で、株主への還元をや

    竹中平蔵氏はひどく賢い|shinshinohara
  • 大企業に農業を任せれば効率化する?|shinshinohara

    大企業に任せてしまえば農業は効率化する、という意見は根強い。それに関連して、興味深い話を聞いた。 栗和菓子屋さん。農家が高齢化し管理できなくなった栗園を引き受け、社員が栽培管理。しかし、条件のよい栗園以外は頼まれても断るようになったという。理由は人件費。 企業が農業をする場合、最低賃金以上を保証しなければならない。しかしそうすると、農家が作る栗より高くなってしまう。なぜそうなってしまうのか。農家は自分の人件費のことを考慮しないで安く売っているから。つまり、今の農産物価格は農家の自己犠牲のおかげで安く済んでいる。 もし農家がみんな農業をやめてしまい、企業が農業をやるようになって、もちろん最低賃金以上を保証するならば、農産物の価格は今以上に高くなる可能性がある。 しかしここで疑問が一つある。海外では企業化した大規模農業があり、非常に効率的に安価に農産物を生産している。日でもそうしたら? とこ

    大企業に農業を任せれば効率化する?|shinshinohara
  • 「儲かる農業」の掛け声の裏で|shinshinohara

    はこのところ、「儲かる農業」ばかりを目指してきた。儲かるといえば野菜などの園芸作物。野菜の売上は、もはやコメの売上を超えている。コメは作っても儲からず、トマトの方が高く売れる。なんせ、同じカロリーならトマトはコメの100倍高く売れるのだから。 農水省はコメばかりにこだわるのをやめ、儲かる農業を推進しろ!という声がこのところ、大きかった。国民からも政治家からも批判の大合唱で、さしもの農水省も世論に負け、コメを優先する政策を改めようとしている。そしてコメも、アメリカに対抗して安く作れるよう、生産性を高めようとしている。 では、世界一の農業国と言えるアメリカは、あれだけ世界中に料輸出するくらいなのだから儲かる農業なのかというと、そうではない。小麦やトウモロコシなど穀物は、政府から所得保障という名の補助金が出てるから農家もなんとか生活できてる状態。つまり作れば作るほど政府からの持ち出しが増え

    「儲かる農業」の掛け声の裏で|shinshinohara
  • 石油が採れづらくなっている|shinshinohara

    石油が採れづらくなっている。石油を採るのにかかったエネルギーより、たくさんの石油エネルギーが採れなければ、経済的にもエネルギー的にも意味がない。石油が噴水のように吹き出していた時代は、採掘エネルギーの200倍の石油が採れたという。しかしシェールオイルは10を切っている。 エネルギー的に黒字にするためには、採掘エネルギーの3倍は必要。石油をガソリンや軽油に作り替えるのにもエネルギーが必要だから。この数値にどんどん近づいている。石油大手は、採掘エネルギーがかかりすぎて採算が悪くなり、石油に投資しなくなっている。しかも。 2019年から2020年にうっかり、サウジアラビアは石油を増産してしまい、石油価格が大幅に下落したことがあった。新型コロナで需要が低迷していたことも手伝って、石油価格は大いに低迷。この結果、シェールオイルを採掘する会社は投資を諦めたりするところが増えたらしい。 この時に投資が減

    石油が採れづらくなっている|shinshinohara
  • 呪いを解除し、失敗を楽しむ|shinshinohara

    私のところに来てくれる学生やスタッフには、まず「呪いの解除」から始めさせて頂く。ほとんどの人が、親や教師、指導者の言うとおり、指示通りに動かねばならない、失敗なんか許されないという「呪い」にかかっている。約1ヶ月ほどかけて、この呪いを解くことにしている。 最初の1ヶ月は、危険がない範囲で、なるべくたくさん失敗してもらう。失敗したら叱られるという経験ばかりしているので、とても失敗を恐れる「呪い」がかかっている。私は「あ、そうなんですよ。皆さん方ここで引っかかるんですよねー」と言って、一緒に失敗の観察を楽しむ。 「なんでこうなっちゃったんでしょうね?」と聞いても、たいがい、「わかりません」が返ってくる。そこで「ここ、どうなってます?」と着眼点を伝える。すると「こうなってます。あ、だからか!」と気づいてもらえる。「なるほど。ではどうしたらよいと思います?」と尋ね、仮説を立ててもらう。 こうしたこ

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  • 日本の男性がコミュ障に陥った歴史的経緯(仮説)|shinshinohara

    昨日まとめたツイート、年配の男性が比較的コミュニケーション苦手、という事例をいくつか並べたけれど。私は結構、後天的、社会的な学習によって口下手になったのではないか、という仮説を持っている。実際、江戸時代の「東海道中膝栗毛」なんかを読んでいると。 https://note.com/shinshinohara/n/na646f2174880 いわゆる弥次喜多が繰り出す軽妙なやりとり。こんなの見ていると、男性が口下手、社交下手だったとはちょっと考えにくくて。船に乗ったら「どこのお国ですか?」とか聞いて、すぐ打ち解けたりしている作品は、江戸時代の作品なんか見ていると非常に多い。武士も結構饒舌だし。 外国人が見た幕末の日人を描いた諸作品を読んでも、当時の日人がいかに人懐こかったかがよくわかる。男性もいろいろ好奇心を持って語り掛け、面白がっている様子がよく描かれている。ということは、男性が社交下手

    日本の男性がコミュ障に陥った歴史的経緯(仮説)|shinshinohara
  • もめ事を収めるコツ|shinshinohara

    震災からしばらくたった2月頭頃、神戸市の職員が避難所に派遣された。ところがどうも初期のころ、ボランティアとぶつかることが多くその日ももめていた。「何をもめているの?」と聞くと、インスタントラーメンを被災者に配りたいのに市役所職員がそれを許さない、と言ってボランティアは怒っていた。 市役所職員によると、被災者全員に公平に配れないのであれば、配ってはいけない、という。味噌ラーメンと塩ラーメンを合計したら被災者全員に配れるのだが、「それだと塩ラーメンが欲しい人に味噌ラーメンが配られたりなど、もめる原因になる、だから配ってはいけない」と頑張っていた。 私は「ちょっと任せてほしい」といって、その市役所職員と話すことに。「救援物資の管理、お疲れ様です。ところで問題のインスタントラーメン、どこから来たかご存じですか?」と尋ねた。「神戸市からですよ」との答えに私は首を振り、「いいえ、違います。私たちボラン

    もめ事を収めるコツ|shinshinohara
  • 単純作業は創意工夫の小宇宙|shinshinohara

    ストッキングの袋詰めを内職に出すことに。まずは一箱どのくらい手間がかかるか調べなくては。両親二人で三時間。ということは、一人だと一箱六時間かかる。それを参考に、一箱あたりの内職代を決めた。案の定、慣れてきた人でも四時間を切ることはできなかった。ところが。 一人だけ、1時間程で一箱仕上げてくる人がいた。そのことを他の内職の人に言うと、皆、信じられない、友達に手伝ってもらっているに違いない、という。 ところがとうとうその人は1時間を切って持ってくるように。人に聞くと、一人でやってるという。一度、目の前でやってみてほしいと頼んだ。 「うちのテーブルと少しすべりが違うけど」と言いながら、袋の束ををトントンとテーブルの上で叩くと、前に放り投げた。マジシャンのトランプのように、均等に袋がズレて並んだ。まずこれにビックリ。すると今度はストッキングを雑然と山にした。「きちんと並べなくていいんですか?」と

    単純作業は創意工夫の小宇宙|shinshinohara
  • まずは五感で観察、理論は後|shinshinohara

    もう10年近く前になるけれど、「すいえんさー」というNHK教育の番組が面白くて。特に衝撃的だったのは、大学対決。私が初めて大学対決を見たのは、京都大学との対決だった。A4の紙で作った物体の滞空時間を競うという競技。京大の学生は博学さと理論知を発揮して、様々な形の物体を作った。かたや。 アイドルグループのすイエんサーガールは、中学高校生の女の子たち。飛行体の知識も理論もなく、流体力学ももちろん知らなかった。理論からいけない彼女たちは、ともかく紙を色々折っては、落としてみた。すると意外なことに、無加工のA4の紙が一番滞空時間が長くなることに気がついた。 ただし無加工の紙は、ものすごく早く落ちることもあった。彼女らは、滞空時間が長い時と短い時の違いを観察した。滞空時間が長い時は横にシーソーのように揺れて徐々に落ちるのだけれど、早く落ちるときは揺れ過ぎて紙が縦になり、一気にまっすぐ落下するのが原因

    まずは五感で観察、理論は後|shinshinohara
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