創作においては才気煥発で熱情に溢れ、ゆえに生活面では破滅型となり不遇を招く。そんないかにもな芸術家像を体現する男といえば、かのフィンセント・ファン・ゴッホにかぎる。 あまりに人間臭く、誰よりも芸術家らしいゴッホの残した軌跡を、たっぷり辿れる展覧会が開催中だ。東京上野・東京都美術館での「ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」。 フィンセント・ファン・ゴッホ 《黄色い家(通り)》 1888年9月 油彩、カンヴァス 72×91.5cmファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵 ©Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)