鎌倉時代の歌人・藤原定家が1221(承久3)年に記した古今和歌集の注釈書「顕注密勘(けんちゅうみっかん)」の原本2冊が、子孫に当たる冷泉家の時雨亭文庫(京都市上京区)で見つかった。同文庫が18日、発表した。これを基にした鎌倉中期と考えられる写本が、国の重要文化財に指定されている。調査に携わった専門家は「和歌研究史における重要資料の原本。『国宝級』の発見だ」と評価している。
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今年3月に亡くなった音楽家・坂本龍一さんが、一時移住を考えたほど京都を愛したのはなぜか。通り一遍の観光を嫌ったという「教授」の実像を“盟友”たちが語った。 シンポ「坂本龍一の京都」 「坂本龍一の京都」と題した追悼シンポジウムが6月18日午後、京都芸術大学の京都芸術劇場春秋座で開かれた。定員400人で事前に予約を受け付けると、すぐにいっぱいになり、関心の高さをうかがわせた。 訃報から約3カ月。「いろいろなメディアで坂本さんについて紹介されているが、まだ統一像を結ぶに至っていない」 坂本さんとの交流が40年近くに及んだという京都芸術大学の浅田彰教授はシンポでの冒頭、企画した意図を説明した。 坂本さんが細野晴臣さんと高橋幸宏さんと結成した音楽グループ「イエロー・マジック・オーケストラ」(YMO)は1983年に「散開(解散)」した。その年、京都大学人文科学研究所の助手だった浅田教授は著書『構造と力
「私が事象を把握したのは、友人から京都付近で列車が駅間で止まっているとの連絡だった」 1月24日の大雪でJR京都線などで計15本の列車が長時間立ち往生した問題の原因をめぐり、JR西日本が2月17日に開いた記者会見で、鉄道本部長の中村圭二郎副社長はこう説明した。鉄道の「安全統括管理者」でもあるナンバー2が、都市部の京都エリアで大規模な輸送障害が起きている事態を会社外の知人の知らせでつかむとは一体どういうことなのか。会見では、質問が集中する一幕もあった。 記者会見した中村副社長によると、午後9時すぎに友人のメールで列車が立ち往生となっていることを初めて知ったという。当時、雪による輸送障害の指揮を担っていた近畿総合指令所の輸送対策室からは一切連絡がなかった。 会見での主なやり取りは以下のようなものだった。 記者「知人は社外の人か」 中村氏「社外の人だ」 記者「しかるべきラインで情報共有されるべき
同館によると、同日朝、水位低下を知らせる警報が鳴ったため職員が駆けつけると、水槽(高さ3・8メートル、直径5・1メートル)が大きく割れ、周囲が浸水していた。水槽は厚さ4センチのアクリルでできており、1996年の開館当時から使用しているという。前日までの目視の巡回点検では異常は確認されなかったといい、老朽化の可能性も含めて破損の原因を調べている。 ビワコオオナマズは琵琶湖の固有種で、日本のナマズの中で最も大きい。水槽にいたナマズ(体長85センチ)は同日午後、水槽内で発見された。擦り傷はあるが命に別条はないという。 西村武副館長は「水槽の破損は想定できていなかった。開館以来の大きな事故で、楽しみにされていた方々に申し訳ない」と述べた。家族3人で訪れた守山市の40代男性は「ブラックバスを目当てに来たが、見られなくて残念。また来ようと思います」と話した。
大雪の影響により、24日夜、JR京都線の桂川―西大路間で京都方面に向かう新快速電車が一時ストップし、乗客が車内に取り残された。 この列車に乗り合わせていた京都市山科区の会社員男性(54)が午後11時過ぎに京都新聞社にメールを寄せ、「満員電車で5時間。助けてください。みんなトイレに行きたがっている。命が危ない。警察、消防の出動が必要です」とSOSを送った。 JR西日本によると、大雪の影響で駅と駅の間に停車した列車は、特急を含めて高槻(大阪府高槻市)―山科(京都市山科区)で計15本に上った。雪の影響で線路のポイントが転換できなくなったことが要因とみられ、信号待ちで駅に停車する列車が多かったため、後続列車が進めなくなった可能性があるという。 25日午前1時半現在、複数の列車で車内に閉じ込められた乗客を徒歩で最寄り駅などに退避させているという。体調不良を訴える乗客も多く、救急搬送されるケースも相次
京都市の西京消防署は7日、川で溺れた男子中学生(13)を救助した西京区の高校生2年生3人に感謝状を贈った。飛び込んで水中に潜り、水深2メートルの川底から助け出した。同署は「勇気に敬意を表する。将来はぜひ消防隊員に」と勧誘していた。 龍谷大平安高の美濃治輝さん(16)、東山高の岡本尚真さん(17)、紫野高の高橋蒼人さん(17)。3人は樫原中の同級生で8月5日、西芳寺川沿いを散歩中、介護福祉士荒木麻千子さん(34)=同区=の「溺れた人がいる」との助けを求める声を聞いた。美濃さん、岡本さんが川に飛び込み、高橋さんが川岸に引き上げた。中学生は無呼吸だったが、すぐに意識を取り戻した。 美濃さんは、中学担任教諭の口癖だった「迷ったら一本背負い」との言葉を思い出し、とっさに飛び込んだという。「当時、言葉の意味は分からず、今もよく分からないが、こんなところで役立つとは思わなかった」と笑顔を浮かべた。 児玉
世界の霊長類研究を牽引(けんいん)してきた京都大霊長類研究所(愛知県犬山市、霊長研)について、京大が組織再編する方向で検討を進めていることが14日、関係者への取材で分かった。霊長研を巡っては、京大が昨年、元所長の松沢哲郎・元特別教授らが関わったとする研究資金不正を公表。今回の京大の方針について、霊長研の事実上の「解体」と見る関係者もいる。京大は月内にも最終決定するとみられる。 関係者によると、京大は霊長研について、学部や研究科と並ぶ組織として位置づけられる「付置研究所」から外すなど大幅に組織再編する方向で検討している。「霊長類研究所」の名称もなくなる可能性が高い。一方、霊長研が飼育してきた動物は犬山市の施設内でそのまま管理するとみられる、という。 この問題で京大は昨年6月、霊長研にあるチンパンジー用ケージの整備に絡んで約5億円に上る研究資金の不正支出があったとする調査結果を公表。松沢氏を懲
「かいけつゾロリ」に登場するキャラクターになった今年の折田先生像(2021年2月25日午前、京都市左京区・京都大) 一般選抜(一般入試)の2次試験が始まった京都大の吉田南キャンパス(京都市左京区)に25日、恒例の「折田先生像」がお目見えした。今年は児童書やアニメで知られる「かいけつゾロリ」に登場するイノシシのキャラクター。大学周辺では看板を手に持ち、受験生にエールを送る学生の姿も見られた。 張りぼての像は同キャンパスにあった旧制第三高等学校の初代校長・折田彦市の銅像にちなみ、毎年現れる。2次試験が終わると姿を消し、制作者は謎に包まれている。 大きな目が愛くるしくオレンジ色の服を着た姿で、近くには「折田彦市せんせは、ゾロリせんせの子分としていたずらに尽力し、京大にまじめにふまじめな学風を築くために多大な功績を残した」と記した看板が置かれていた。ほかにも、顔出し看板の折田先生像など数体が見られ
京都のコロナ感染者、なぜ少ない? 混み合う観光地、府民は避けた?考えられる理由は… 2020年12月4日 10:30 全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が加速している中、「なぜ京都の感染者数は少ないのか」との声が、京都新聞社の双方型報道「読者に応える」に複数寄せられている。大勢の観光客が全国から訪れているにも関わらず、近隣の大阪府や兵庫県と比べても現時点で京都府は急激な感染増加に至っていない。対策に当たる自治体や医療関係者らに考えられる理由を聞いてみた。 ■「繁華街の規模小さい」 2日までの1週間合計で大阪府は2560人、兵庫県は845人の感染が確認されている。京都府は162人だった。人口千人当たりに換算すると大阪0・290人、兵庫0・155人、京都0・063人となり、現状では京都の感染は一定のところで抑えられているとも言える。 京都府の幹部は理由の一つに繁華街の違いを挙げる。「感染リス
野党共闘を阻む京都特有の「強い共産」 立民に根強いアレルギー、源流は半世紀以上前に 2020年11月25日 10:00 衆院議員の任期が来年10月で切れる。日本政治は1年以内の解散・総選挙を意識して既に動き出している。新型コロナウイルスの感染拡大状況や経済情勢、菅政権の支持率などさまざまな変数が、政権選択の時を左右する。中でも選挙構図に大きな影響を与えるのが、連勝を続ける与党に対抗する野党共闘だ。京都でも模索は始まったものの、特有の「壁」が立ちはだかっている。 ■立民「京都では組めない」 共産の申し入れを拒否 「我々は応じるつもりはありません」。今月5日、立憲民主党京都府連会長の泉健太(衆院京都3区)は、地方議員や支持団体幹部に電話やメールで説明を繰り返した。この日、共産党府委員会が急きょ会見を開き、次期衆院選での野党共闘に向けた協議を立民府連に申し入れたことを明らかにしたからだ。 立民府
「この政権、とんでもないところに手を出してきた」 学術会議任命見送られた松宮教授 2020年10月1日 20:37 立命館大法科大学院の松宮孝明教授は1日、京都新聞社の取材に対し、政府が「日本学術会議」会員への自身の任命を見送ったことについて、心境を語った。松宮教授の発言は以下の通り。 ―任命されなかったことについて率直な気持ちは。 率直にはほっとした。仕事が一つ減ったな、と。個人的にはそういうところで、別になりたいと思ってたわけでないので、まずはそれを理解してほしい。 それを抜いて率直に言うと、「とんでもないところに手を出してきたなこの政権は」と思った。学術会議というのは、まず憲法23条の学問の自由がバックにあり、学術は政治から独立して学問的観点で自由にやらなければいけないということでつくられた学者の組織だ。もちろん内閣総理大臣の下にはあるが、仕事は独立してやると日本学術会議法で定められ
4月に「京都造形芸術大学」から名称を変更した京都芸術大(京都市左京区)前のバス停の名前が、「上終(かみはて)町京都造形芸大前」のままとなっている。同大学はバス停を管理する市交通局に名称の変更を申し出たが、同局は同大学と京都市立芸術大(西京区)が名称を巡って裁判で争っていることを理由に応じていない。訴訟は27日に大阪地裁で判決が出る予定。 交通局によると、バス停の名前はもともと「上終町」だったが、1991年に開学した旧京都造形芸大の学生の利用が多く、大学前のバス停として定着していることから、2001年に現在の名前に変わった。 京都芸術大は今年1月、大学名の変更に先立ち、バス停名を「上終町京都芸術大学前」に変更してほしいと要望した。「変更に伴う費用を負担してでも変えたい」と食い下がったが、交通局は「訴訟中」を理由に受け付けなかった。 同大学は「議論を尽くせば理解をいただけると思っている」とする
10万円「給付金詐欺では?」大津なのに申請書宛先が神戸 大津市に問い合わせ殺到、なぜ… 2020年6月2日 10:45 国民1人10万円の特別定額給付金を巡り、大津市が市内各世帯に送った申請書類の返送先が神戸市須磨区になっていることに、市民から疑問や問い合わせが殺到している。大津市は「業務委託先の住所であり、心配しないで」と呼び掛けているが、「書類は本物か。給付金詐欺ではないか」と尋ねる電話などが相次いでいる。 大津市は、特別定額給付金に関するコールセンター業務、郵送方式の申請に必要な書類の発送、返送された書類の点検などを一括して神戸市に作業拠点を置く業者に委託している。オンライン方式の申請は7日で受け付けを終了する。 約15万世帯に郵送された申請書類には、市が業務委託していることや委託先の業者名が分かる記述はない。5月28日の発送以降、メールや電話などで「なぜ送り先が神戸市なのか」「給付
閑散とした渡月橋や嵐山商店街。中国人観光客だけでなく、欧米や日本人も減っているという(3日、京都市右京区) 新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受けて中国政府が海外への団体旅行を禁止したことで、京都市内の観光地や寺社で観光客が激減している。 京都市右京区の嵐山かいわい。渡月橋に続く嵐山商店街は、例年なら春節が終わっても通行人の肩が触れあうほどのにぎわいだが、人出はまばらだ。商店街の副会長によると、中国政府が禁止措置を取った1月27日の翌日から観光客が激減したといい、「この時期は特に中国人頼みだったため打撃は大きい。先行きが見えず、影響は計り知れない」と危機感を抱く。 金閣寺(北区)近くの50代土産物店主も「人出は例年の半分以下。2月に入り、欧米人や日本人も激減した」とため息をついた。 伏見稲荷大社(伏見区)の裏参道で神具店を営む男性(48)は「毎年多いと1日200台の団体バスが来るが、今年
202人が1世紀前に共同登記したままの空き家。大正期の選挙権獲得運動との関わりが浮上する(京都市北区紫野) 京都市北区紫野に、1919(大正8)年の202人が登記簿上、今も所有者になったままの空き家がある。子孫の一部は処分を検討するが、202人の子どもや配偶者ら法定相続人は千人単位に膨らんでいるとみられ、「全員の同意を得るのは不可能」と途方に暮れる。1世紀前の共同登記の背景には、大正デモクラシー期の選挙権獲得運動との関わりが浮かぶ。 空き家は「青年会館」と呼ばれ、土地とともに地元の青年団員らが資金を出し合って取得したとされる。土地と建物で計22枚の登記簿によると、土地約100平方メートルに延べ床約100平方メートルの木造2階建て。相続登記はこれまで行われておらず、現在の相続人の正確な人数や住所は不明だ。 会館は、大正~昭和前期に、青年団員らによって弁論やボランティアの活動拠点として使われた
京阪バスが管理や運行を受託している京都市バス(南区・九条営業所) 京阪バス(京都市南区)が2019年度いっぱいで、京都市交通局から受託している市バス運行事業から撤退する方針を固めたことが7日、分かった。運転手や整備士の不足が主な理由で、今後、他社が追随する恐れもある。京阪バスの受託分は市バスの台数ベースで1割近くを占めており、交通局は直営に戻す方向で検討を始めた。人件費負担が重くなる可能性もあり、市バス経営が打撃を受けるのは必至だ。 交通局は00年度、人件費などのコスト削減を目的に全国で初めて公営バス事業を対象とする「管理の受委託方式」を導入した。現在、市バス全818台のうち半分に当たる406台の運行管理を民間6社に委託している。 京阪バスは、05年度から九条営業所(南区)に所属する市バスの一部運行と全車両の整備を担う。現在は6系統66台で全体の8%を占める。市交通局と3~5年で契約を更新
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