当たり前だと思うかもしれないが、人間はマラソンができる。誰でもというわけではないにしても、鍛えれば42.195キロ以上走ることができる。 そんなことができる類人猿は、人間以外にはいない。人間は投擲力に優れているという話は前にもあったたが、持久走力も大変優れているのだ。 ところが「人間は精神的に優れた動物であり、代わりに肉体は貧弱で非効率的である」という根拠のない伝統的偏見が根強く、なかなかそのような事実は意識されていない。 仮に科学が、もっと自分たちの肉体の素晴らしさを強調するような文化の影響の下に進んでいたら、このあたりの歴史はかなり違っていたのではないかと思われる。 この持久走力は、狩猟への適応であると思われる。狩られる者としての適応をもっと重視すべきという意見(参考)を考慮に入れたとしても、現生人類が高度な適応を遂げた狩猟者であることは変わらない。 長時間追跡する狩りをすることが、将