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ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (14)

  • 書評 「ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?~進化の仕組みを基礎から学ぶ~ (光文社新書) 作者:河田 雅圭光文社Amazon 書は進化生物学者河田雅圭による進化の一般向けの解説書になる.河田は新進気鋭の学者であった1990年に「はじめての進化論」を書いている.当時は行動生態学が日に導入された直後であり,新しい学問を世に知らしめようという意欲にあふれ,かつコンパクトにまとまった良い入門書だった.そして東北大学を定年退官して執筆時間がとれるようになり,その後の30年以上の学問の進展を踏まえ,改めて一般向けの進化の解説書を書いたということになる.ダーウィンの議論の今日的当否を問うような印象の題名だが,それは書の極く一部の内容で,基的にはいくつかの誤解が生じやすいトピックを扱いつつ進化とは何かを解説する書物になっている. 第1章 進化とは何か 1.1 そもそも進化とはなんだろうか? 第1章第

    書評 「ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    h-hirai
    h-hirai 2024/05/16
    相対論や量子論でもってニュートンが否定されたというのが誤りであるのと同様に、今日の進化生物学の進歩でもってダーウィンが正しくないとは言わない
  • 書評 「ダーウィンの呪い」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ダーウィンの呪い (講談社現代新書) 作者:千葉聡講談社Amazon 書は千葉聡による「ダーウィンの自然淘汰理論」(特にそれが社会にどのような含意を持つかについての誤解や誤用)が人間社会に与えた負の側面(書では「呪い」と呼ばれている)を描く一冊.当然ながら優生学が中心の話題になるが,それにとどまらず様々な問題を扱い,歴史的な掘り下げがある重厚な一冊になっている. 冒頭ではマスメディアがしばしばまき散らす「企業や大学はダーウィンが言うように競争原理の中でもまれるべきであり,変化に対応できないものは淘汰されるべきだ」という言説を,まさに「呪い」であると憂いている.そしてそれが「呪い」であるのは,「進歩せよ,闘いに勝て,そしてそれは自然から導かれた当然の規範である」というメッセージがあるからだと喝破している(それぞれ,「進化の呪い」「闘争の呪い」「ダーウィンの呪い」と名付けられている). 第

    書評 「ダーウィンの呪い」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  •  「Animal Weapons」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Animal Weapons: The Evolution of Battle 作者: Douglas J. Emlen,David J. Tuss出版社/メーカー: Henry Holt & Co発売日: 2014/11/11メディア: ハードカバーこの商品を含むブログを見る 書は糞虫(糞性コガネムシ)のツノの研究で有名なダグラス・エムレンによる動物の武器についての一般向けの啓蒙書だ.序言には,子供の頃から大きな武器に取り憑かれていて,博物館ではマストドンの牙やトリケラトプスの角に魅入られていたという想い出が語られている.そしてリサーチキャリアが始まったときに,熱帯で研究できて,身体の大きさに比較して武器が大きく,さらに何のために一部の種に大きなツノがあるのかについて知られていなかったという理由で糞虫を対象とすることになる.糞虫のツノは著者を今も魅了し続けており,書を書くにいたった

     「Animal Weapons」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    h-hirai
    h-hirai 2015/02/18
    翻訳されんかな。
  •  「進化とは何か」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義 作者: リチャードドーキンス,吉成真由美出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/12/19メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (8件) を見る 書はリチャード・ドーキンスが1991年に英国のロイヤルインスティテューションが主催する子供たち向けのクリスマスレクチャーで講演した内容(全5回)が元になったものだ.レクチャーの題は「Growing Up in the Universe」*1.この講演の様子はヴィデオ化されてDVDになり,さらにYouTubeでも公開されている.あちらでも書籍化されたようだが,現在では入手困難になっているところ,新たに編集邦訳され,インタビューを加えて日語で出されたということになる. 第1章では進化が成し遂げた驚くべき産物を次々に紹介し,そしてそれがヒトの想像を遙かに超えた時間の広がりの中で起こっ

     「進化とは何か」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    h-hirai
    h-hirai 2015/01/06
    読んだ。これは映像で見たいなあ、とか思ったけど、そうか、この本を字幕代わりにして youtube 見ればいいのか。なるほど。
  •  「Homo Mysterious」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Homo Mysterious: Evolutionary Puzzles of Human Nature (English Edition) 作者:Barash, David P.発売日: 2012/06/01メディア: Kindle書は行動生態学者デイヴィッド・バラシュによるヒトにかかる進化生物学的な謎を解説したになる.扱われているのは前著の「女性の曲線美はなぜ生まれたか」のトピックでもあったヒトのセクシュアリティの諸問題に加えて,芸術,宗教,知性という問題だ.それぞれ「なぜこのような形質が進化したのか」「(淘汰形質だとすると)適応価はどこにあるのか」あたりがポイントになる.バラシュは,それぞれのトピックについてまずそれまでの様々な議論を整理して,その上で自説を付け加えたり,なお未解決だとして整理したりしており,いわば一般向けの総説論文のようなに仕上がっている. 冒頭で書執

     「Homo Mysterious」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    h-hirai
    h-hirai 2014/04/01
    ミラー読みかけでほったらかしだなぁ。
  •  「なぜ理系に進む女性は少ないのか?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    なぜ理系に進む女性は少ないのか?: トップ研究者による15の論争 作者: スティーブン・J.セシ,ウェンディ・M.ウィリアムス,Stephen J. Ceci,Wendy M. Williams,大隅典子出版社/メーカー: 西村書店発売日: 2013/06/08メディア: 単行この商品を含むブログ (8件) を見る 書は,題名通り科学技術分野での女性の進出にかかるで,2005年のハーバード総長のローレンス・サマーズの発言がきっかけになって,2006年に編纂されたものである.当時の(少なくとも出版されたもの,ネットで公表されたものの)議論の大半が表面的でエビデンス・ベースでなかったこともあり,特にエビデンス・ベースで議論を行えるトップリサーチャーに17人に件に関する原稿を依頼し,うち15人から応諾を得たものだ.そして企画・編集を行ったウィリアムズとセシが書の最初と最後に「背景設定」

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  •  「Darwinian Agriculture」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Darwinian Agriculture: How Understanding Evolution Can Improve Agriculture 作者: R. Ford Denison出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 2012/07/02メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 書は植物生態学者のフォード・デニソンによる,農業改善にダーウィニズムを応用しようというだ. デニソンは1983年コーネルでcrop sceinceの博士号をとり(日流にいうなら農学博士ということだろう),政府農業部門で数年間働いた後,1993年からUCデイビスで農業経済学の教授になり,持続可能な農法についてリサーチを行う.その間ドーキンスの「利己的な遺伝子」を読んだことをきっかけに進化生物学に興味を持ち,それを農学に取り入れる試みを始め

     「Darwinian Agriculture」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  •  「イカの心を探る」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    イカの心を探る 知の世界に生きる海の霊長類 (NHKブックス) 作者: 池田譲出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2011/06/25メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 207回この商品を含むブログ (9件) を見る 書はイカの知性に興味を抱いたイカの研究者の研究物語である.ヒト以外の動物の知性の研究については霊長類やイルカ,それに一部の鳥類のものが有名だが,イカというのは意表を突いている.書ではそのような研究にいたった経緯や研究の苦労物語を交えて語ってくれている. 書はまずイカとはいかなる動物かという紹介から始まる.分類学的にはタコやオウムガイと並んで軟体動物の頭足類に属し,大きくコウイカとツツイカに分かれるということになる.これらは全て海産である*1.日人はコウイカとツツイカを普通「イカ」と呼び区別しないが,英米では一般的な名称としてcuttlef

     「イカの心を探る」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    h-hirai
    h-hirai 2011/11/02
    ついやってみたくなった。→ http://ika.koneta.org/api?url=http%3A%2F%2Fd.hatena.ne.jp%2Fshorebird%2F20111028%231319810526&submit=%E4%BE%B5%E7%95%A5%21%3F ……すいません、今から 真面目に読みます。
  • 混乱の進化(Atheist Alliance International 2009 Conference in Burbank, California) - shorebird 進化心理学中心の書評など

    先日も紹介したリチャードドーキンスファウンデーション(RDF)が後援している国際無神論者同盟(AAI)主催の2009年のカンファレンスでの講演会だが,ここでは哲学者ダニエル・デネットが講演している. http://youtube.com/watch?v=D_9w8JougLQyoutube.com なおこのページでは720PのHDクイックタイムのファイルがダウンロードできる.http://richarddawkins.net/article,4547,The-Evolution-of-Confusion,Dan-Dennett-AAI-2009-RDFRS-Josh-Timonen 演題は「The Evolution of Confusion」ということだが,中身は(AAIなので当然ながら)宗教について,特に宗教をリバースエンジニアリングしてみたらどういう事がわかるかという内容で,大変面白

    混乱の進化(Atheist Alliance International 2009 Conference in Burbank, California) - shorebird 進化心理学中心の書評など
    h-hirai
    h-hirai 2009/11/10
    よく分かってないけど、すごく怖いことが書いてるような気がする
  •  「The Evolution of God」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The Evolution of God 作者: Robert Wright出版社/メーカー: Little, Brown and Company発売日: 2009/06/08メディア: ハードカバー クリック: 11回この商品を含むブログ (2件) を見る ロバート・ライトによる宗教を文化進化的に考えてみようという大著である.ロバート・ライトは寡作のサイエンスライターで,1994年という早い時期に「モラル・アニマル」という進化心理学の一般向け啓蒙書を書いたことで知られる.その次の著作は2000年の「Non Zero」.これは人間の歴史をノンゼロサム的な状況の拡大の歴史として捉えてみようという野心的な書物で,狩猟採集民族からグローバルな経済社会まで,ノンゼロサム的な状況に対して協力的な解決策がとられてきたことを見ていくというものだった.なかなか面白い書物であったが,最後の2章で,集合的な意

  •  「ダーウィンが信じた道」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ダーウィンが信じた道―進化論に隠されたメッセージ 作者: エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア,矢野真千子,野下祥子出版社/メーカー: 日放送出版協会発売日: 2009/06メディア: 単行購入: 5人 クリック: 52回この商品を含むブログ (17件) を見る ダーウィンの詳細な伝記の著者として知られるエイドリアン・デズモンドとジェイムズ・ムーアによるダーウィンである.書では特にダーウィンの研究の背後にある動機について語っている.原題は「Darwin's Sacred Cause: How a Hatred of Slavery Shaped Darwin's Views on Human Evolution」. ダーウィンが奴隷制を嫌っていたことは「ビーグル号航海記」を読めば極めて明瞭だ.そしてダーウィンの1871年の著書「人間の進化と性淘汰」*1の大きなテーマは人種の

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  •  「Evolution for Everyone」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives 作者: David Sloan Wilson出版社/メーカー: Delacorte Press発売日: 2007/03/27メディア: ハードカバー クリック: 22回この商品を含むブログ (9件) を見る これはマルチレベル淘汰論でひたすらがんばってきたDavid Sloan Wilsonによる広く一般向けの進化に関する科学啓蒙書である.表紙が「頭の上に黄金の輪があるダーウィン顔の類人猿が並んでいる」というあまりにもださい絵なのが大変残念だが,大変密度が高く面白いである.物事に対する「進化」的な思考とはどのようなもので,どう真実と関連し,どう役に立つのかを説明し,また自分自身の研究の歴史も語ってくれている.当然な

     「Evolution for Everyone」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    h-hirai
    h-hirai 2009/05/05
    うあぁぁ…、おもしろそーだ、こないだ訳書を書店で見かけたなぁ、買っちゃう、これは買っちゃうよ。/買っちゃったよ、いつ読もう/いつのまにか読み終わっていた
  •  「ワタリガラスの謎」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ワタリガラスの謎 作者: バーンドハインリッチ,Bernd Heinrich,渡辺政隆出版社/メーカー: どうぶつ社発売日: 1995/05メディア: 単行購入: 7人 クリック: 79回この商品を含むブログ (9件) を見る 「マルハナバチの経済学」で有名なベルンド・ハインリッチ(書ではバーンド・ハインリッチという表記になっている)による.原書が出版されたのは1990年,翻訳された書は1995年に出されたものだ.ハインリッチは「マルハナバチの経済学」の後,「ヤナギランの花咲く野辺で」というを出して自分の半生と研究の周辺を語ってくれた.そのときの著者のリサーチのフォーカスは昆虫の生理,行動パターンがいかに環境に適応しているかというものであり,まだハミルトンに始まる行動生態学的な関心は見せていない.書はその後のメーン州で行動生態学的な視点でワタリガラスを研究したエピソードを詳しく

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  •  「その数学が戦略を決める」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    その数学が戦略を決める 作者: イアン・エアーズ,山形浩生出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/11/29メディア: 単行購入: 98人 クリック: 2,063回この商品を含むブログ (218件) を見る スティーヴン・レヴィットの「ヤバい経済学」とちょっとかぶった,統計応用のお話.レヴィットの方はヒトがインセンティブにどう反応しているかについて統計を利用して調べて純粋におもしろがっている雰囲気だが,書は違う,どこまでもどう役に立つかという問題意識であり,びしっと一プラグマティズムの筋が通っている.はるかに実践的ではるかに徹底的.いわゆる「身も蓋もない世界」を描き出している. 書のすさまじいところは,単純な回帰分析が,いわゆる「専門家」よりはるかに信頼できるという驚愕の事実が次々と紹介されるところだ.ヴィンテージワインの価格推移予想から始まって,「マネーボール」でも紹介さ

     「その数学が戦略を決める」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    h-hirai
    h-hirai 2008/01/02
    via http://www.kt.rim.or.jp/%7ekbk/zakkicho/07/zakkicho0712c.html#D20071230-7 あとで読もう / 本屋で見かけたので買ってしまった
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