世界最大級の宿のネットワーク「ユースホステル」(YH)が、国内で受難の時代を迎えている。施設数はこの10年間で99棟減少し、昨年の利用客数はピーク時の10分の1、会員数は20分の1程度にまで落ち込んだ。最近の客層は、他の客との交流を望みつつ、プライバシーを重視する傾向が以前より高くなったのが背景にあるという。 日本YH協会(東京)によると、昨年末現在の全国のYH数は220棟。1974年末の587棟をピークに減少傾向だ。73年に341万人いた利用客数も昨年は38万7千人に。国内外のYHで割引特典がある会員の数は、72年末の63万4千人から3万5千人に減少した。 日本協会の広報担当、池田和誠さんは、YHの苦戦について、①安い宿全体の数が増えた②インターネットの普及で安い宿探しが容易になり、ネットワークを持つYHが必ずしも有利ではなくなった③YHの建物が老朽化した④運営側が高齢化し、後継者も不足