「日本は1000兆円も借金があるから増税しなければいけない」「ギリシャのように破綻する可能性がある」──新聞・テレビで何度も繰り返されてきた“警告”だ。 だが、日本という国家の財務状況は「借金の額」だけを見ても判断できないはずだ。投資家や銀行が企業の経営状態が健全かをチェックする際には、必ず「バランスシート」を見る。では“日本国”についても同じように見てみるべきではないか。 ◆借金は本当に“多い”のか? 政府は過去最高の97兆4547億円の来年度予算案を編成した。そのうち35%の34兆3700億円が借金(国債の新規発行)だ。 かつて自らを「世界一の借金王」と称した小渕恵三首相の時代に約645兆円(1999年度末)だった日本の国の借金総額はいまや1000兆円を超え、今年度末には1094兆円に達する。国民1人あたりで計算すると862万円だ。 しかし不思議なことに、政府は何十年にもわたって収入(