ネットが一般的になり「感想」というもののありかたはずいぶん変わったのではないかと思う。「評判」ともいう。ちょっと前なら感想や評判というものは身内の間のものだったから、あまり突拍子もないものはありえなかった。 良くも悪くもネットというのは平坦(へいたん)だから、年齢性別、趣味嗜好(しこう)に関係なく公開されていく感想を日々目にすることになる。出会う機会のなかったものを新たに知るのは楽しいが、明らかに駄目なものも多くある。駄目というのは「そりゃ感想になっていないよ」というもので、身内に留めておいた方がよいものである。特に本や漫画の感想に多い。 たとえばひどいものとして「読んでいないのですが」というものがある。読んでいないのに感想を書くというのはなかなか大胆な行為なのだが、そう珍しいものではない。友達の間やお茶の間の会話ではよくあると思う。ただし、わざわざ公開するとなるとそれなりの工夫が必要だろ