さらばガラパゴス政治―決められる日本に作り直す [単行本] 著者:野中 尚人 出版:日本経済新聞出版社 ★★★★★ 「決められない政治」が批判されて久しい。最大の問題は衆議院の優越が不十分な二院制など憲法の欠陥にあるが、これを改正することは不可能に近い。小選挙区制が悪いという批判もあるが、首相が毎年代わるようになったのは2000年代に入ってからだ。最大の問題は、国会至上主義によって議院内閣制が機能していないことだ、というのが著者の見立てである。 日本では、閣僚が国会に1日中しばりつけられる。野田首相は、就任中に130日間も国会に出席し、その間は国際会議も出られない。このため、国会以外のスケジュールが異常に過密で、会議や面会も15分ぐらいしかない。これでは「内閣を統括する」という首相の役割が果たせず、官僚の時間も大部分が国会の答弁づくりや待機といった非生産的な業務に費やされる。 日本人は、国