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「日本は電子書籍専用端末の墓場だ!」という説が、今日までずっと言われ続けている。といっても、その説を唱えてきたのは私一人だけだが、この説に私はかなりの自信を持っている。 というのも、私自身がここ2年あまりで買い求めた電子書籍専用端末をまったく使っていないうえ、私の周囲の人間も同じように、まったく使っていないからだ。 10月24日、とうとう、アマゾンが「Kindle(キンドル)」の日本発売を発表した。ほぼ同時に日本版「キンドルストア」もオープンし、日本での電子書籍事業に本格的に乗り出すことになった。そこで、日本にもとうとう本格的な電子書籍時代が到来すると、メディアや一部ファンは騒いでいる。 しかし、それでもなお私は、「電子書籍専用端末の墓場」説は生き続けると思っている。キンドルストアの評判は、なかなかいい。キンドルの予約状況もいいと聞いている。しかし、キンドル上陸によって、これまで続いてきた
いよいよamazonからkindleが発売され、日本の電子書籍時代が幕を開けたと言われている。一方で、オープン当初のラインナップは5万冊にとどまり、amazonが出版社との交渉に難航している様子がうかがわれる。 一般消費者から見たら、「どうせデータはあるんだから、それをPDFにするだけじゃないか。なんで電子書籍を出さないのか?」という疑問があることだろう。 その理由としてよく言われるのは「中抜きされることを恐れてどうの」とか「書店への配慮がどうの」という意見だ。しかしこれらは本質的な論点ではない。というのも、 ・一般の読者が考えているよりも、本づくり(それがマンガや小説であっても)において編集者と作家の二人三脚は欠かせない。作家がひとりで締め切りを守って作品を作るということは、ほぼ不可能である。中にはそういう人もいるかもしれないが、実際は、打ち合わせをしてアイデアを練ったり、そろそろ締め切
弁護士(日本・ニューヨーク州)骨董通り法律事務所代表パートナー 日本大学芸術学部客員教授 1965年生まれ。神奈川県出身。東京大学、コロンビア大学ロースクール卒。著作権法を専門とし、出版、音楽、映像、舞台芸術ほかのクリエイター及びエンタテインメント関連企業の顧問先多数。著書に『著作権の世紀 ――変わる「情報の独占制度」』(集英社新書)などがある。「自炊」について多くのメディアでコメントし、ニコニコ生放送『ネットの羅針盤』『「自炊」と電子書籍』にも出演。Twitterでも「@fukuikensaku」で発信中 骨董通り法律事務所Webサイト 法律とユーザーの感覚の乖離 ―― スキャンしたデータのコピーを有償・無償で譲ったり、インターネットで公開したりすると、著作権の侵害になる、ということは、一般にもよく理解されるようになりました。 ところが、自分のお金で買った本を、あくまで自分用としてデータ
今回、「自炊代行」を業とする二社に対して、著名な作家・漫画家7氏が差止めを求める訴えを提起したと報道されています。これについては、「作家は自分たちの権利のことばかりを考えて、読者(お客さん)のことを考えていない」 という批判がなされています。ツイッターでの私のタイムライン上では、これに賛同する賛同する意見が大勢です。 しかし、私はまったくそれには共感しません。 まず、われわれが個人として行う「自炊」(のかなりの部分)は著作権侵害とならないが、その「代行」(のほとんど)は侵害となるということです。この点は著作権法30条に関する法解釈学上の議論が要りますが、少なくとも、「自炊代行」が著作権侵害となることがある、現在の「自炊代行」業のかなりの部分が著作権侵害となるということについては、専門家の見解はほぼ一致すると思います(福井健策弁護士の意見を参照)。 とはいえ、「アゴラ」の読者の大半は、著作権
日本経済新聞によれば、アマゾンが年内にも日本で電子書籍を販売するという。こういう記事はこれまでにも何度も出ており、今度も「狼が来た!」に終わる可能性もあるが、PHP研究所が10月中にも契約するというから、今回は根も葉もない話ではないようだ。 アマゾンは、日本ではすでに電子書籍端末「キンドル」を投入しているが、電子書籍は売っていない。出版業界を取り仕切る取次との合意ができないからだ。日本の出版流通は委託販売という特殊な方式になっており、本はすべて取次が選んで小売店に配本し、返品自由になっている。このため取次は出版流通の要であり、出版社から本を仕入れて代金を前払いすることによって零細な出版社の金融機能も果たしている。これが電子化されると、取次は「中抜き」されてしまうからだ。 アマゾンのキンドルは、アメリカでは販売部数で紙の書籍を超えた。部数は公表されていないが、紙の書籍100に対して電子書籍の
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