やはり、書かなければならないだろう。4月20日に発表された、三菱自動車の燃費偽装事件のことだ。記者発表が行われた当日の夜、筆者は別の打ち合わせがあって現場に行けなかったのだが、インターネットの実況中継を見ていた。そして見れば見るほどやりきれない気持ちになった。規模の小さい完成車メーカーが今の競争環境の中で生き残っていくことが、いかに厳しいかをひしひしと感じたからだ。 まずは何が起こったのかをおさらいしておこう。不正の対象となったのは、2013年6月から三菱自動車で生産している「eKワゴン」「eKスペース」と、同じ車種を日産自動車向けにOEM供給している「デイズ」「デイズルークス」の4車種。三菱自動車向けの15万7000台と、日産自動車向けの46万8000台の、合計62万5000台である(2016年3月末現在)。 事件の内容は、三菱自動車が国土交通省に提出した燃費試験データについて、燃費を実