好きで一緒になった妻、産まれたときは飛び上がるほど嬉しかった我が子。子供への愛情は自覚できるけど、いつからか妻を「子供の母親」として認識するようになり、いまでは用がなければ話もしない。アレ?オレって彼女のこと好きだったのか?ああ、そうか、コレが倦怠期というものか・・・と納得したつもりでもう数年。 そんなとき、妻から突然に「あたしのこと大切だと思ってる?」とか問われると、思ってるに決まってンだろ、と答えはするも、どうもストンと腹に落ちない―――。 ある意味、心は正直にできている。自分の中で「好きなのか、どうでもいいのか」と考えてしまうなら、そこに倦怠期もヘチマもない。長年、一緒に暮らしてきた情や柵から、なんとなく「そういうものだ」と過ごしてきたのなら、男が感じる不安に嘘はない。 そして女性は本能的に「嘘を見抜く」。男がいくら否定しても「そうに決まってる」と意固地になるのは、女性の中の本能が「