歴史をニュートラルに捉える 富野 今、『徴兵制と近代日本」(吉川弘文館)という本を読んでいます。加藤陽子さんという方が書かれてるんですが、この方の近著『戦争の日本近現代史』(講談社現代新書)を最近たまたま買って読んで、非常に面白かったんです。政治、外交、軍事、全般的に見て、明治以後の軍制はどのようにしかれていったかという内容なんですが、本当に勉強になった。史料のつまみ方も全く新しい。視点が極めてニュートラルなんです。 福井 どんな方なんでしょうか。 富野 読売新聞の書評では「若き学徒」っていう書き方をされていた。歴史学では、これからはこの人の時代ではないかと。東大の助教授の、女性なんですよ。 福井 (略歴を見て)お若い方ですね。 富野 福井君みたいなタイプの物書きは急いで読んでおかないとまずい。軍事に対して何の偏りもないし、批判も何もしてない。歴史をひもとく時の目線はこうあるべきだろうとい