兵庫県川西市で9月2日に自殺した県立高校2年の男子生徒(17)がいじめを受けていた問題は、高校の対応の不手際が事態をより深刻化させた。遺書はなく、現時点で自殺といじめの因果関係は不明だ。男子生徒は中学時代、「いじめ防止」の標語に応募し、表彰された経験もあったという。そんな男子生徒が自ら命を絶つ少し前には「ムカデみたいな虫がいる」と深夜に突然目を覚まして泣き叫ぶこともあった。なにが男子生徒を死に追いやったのか。両親は真相解明を求めている。「虫」「エキスが付く」… 高校が2年生を対象に実施したアンケートからは、男子生徒をめぐるいじめの実態が浮かび上がった。 2年になって間もない4月上旬、「話しかけても反応がない(無視された)」という理由で、1人が男子生徒を「虫」と呼ぶようになり、5月中旬には席が近い2人も加わった。男子生徒の椅子の下で死んでいる虫を指差し、「虫」とからかったり、椅子に蛾(が)の