日本人には恐れをなして涼を採る伝統があります。ぞっとするというやつです。人間は事故、病気、狂気等畏怖嫌厭が表された物事から本当に納涼できるのでしょうか?世界的に見て稀なこの風習に注目し、本当に涼しくなるのかを、試して頂きます。 明治時代中期に岡山県で撮影された末期患者のポートレイトや1920年代、降霊術がダンディズムであった時代にコナン・ドイルによって収集された心霊写真、松井冬子が幽霊を描いた理由はさておき、2006年に描いた恐怖漫画や、代表作「夜盲症」の大下図、愛人に殺された山中春雄の狂気めいたタブロー、熟練の山口椿が描いた幽霊画、J・P・ウィトキンの悪魔的世界観、亀井徹は新作を発表いたします。 [画像: 松井冬子 「夜盲症」(下図) (2004) 紙に鉛筆]