湯島聖堂 中国料理研究部のこと 2023.10.22 連載 : 湯島聖堂の料理帖~戦後の日本に伝わった“本当の中国料理”~ 現代日本の中国料理の礎を築いた湯島聖堂「中国料理研究部」。その貴重なレシピと歴史を紐解く連載です。第1回目は、なぜ聖堂で中国料理がつくられたのか、どう継承されたのか、時代背景から解説します。 「聖堂料理」とはどんな中国料理なのか 中国清代に書かれた美食の名著『随園食単』を傍らに、一途に中国料理を探求してきた名料理人がいる。2019年に惜しまれながら閉店した「知味 竹廬山房(ちみ ちくろさんぼう)」の主人、山本豊さんだ。山本さんは、中国料理の歴史と文化を踏まえ、新旧取り交ぜたコース料理を構築。乾物使いの名手として知られ、素材を生かした滋味あふれる料理で多くの食通を魅了した。 元「知味 竹廬山房」のオーナーシェフ、山本豊さん。同店出身者には経堂「彩雲瑞(さいうんすい)」の