以前、「モノかつエピだがアイソではない例」というエントリーを書きました。順序集合を圏とみなした圏では、すべての射がモノかつエピとなりますが、アイソでない射も含まれる、という内容です。 もう少し普通な(なにが普通だ?)の例としてよく引き合いに出されるのは、有理数の集合Qを実数の集合Rに埋め込む包含写像です。ただし、集合圏ではなくて、位相空間の圏Topで考えます。e:Q→R in Top は、モノかつエピだがアイソではない例になっています。それと、単位元付きの可換環の圏で、整数環Zを有理数の環Qに埋め込む写像も、モノかつエピだがアイソではありません。これらの例を紹介します。 有理数を実数に埋め込む例 e:Q→R (eはembeddingから)は、集合と写像の意味で単射なので、圏Topのモノになります。この部分では、eが連続写像であることは特に使いません。次に、eがエピであることを示しましょう。