東日本大震災で、輸送の大動脈であるJR東日本の東北新幹線の深刻な被害状況が明らかになってきた。トンネル崩落や高架橋の倒壊といった深刻な被害こそ避けられたものの、被害は計約1100カ所にのぼっている。他のJR各社が復旧協力を申し出ているが、作業の長期化は必至だ。 「まさかこれほど広範囲とは…」。東北新幹線の被害状況について報告を受けたJR東幹部は、思わず絶句した。 昨年12月に新青森-八戸間が全面開通し、今月5日には国内最高の時速300キロを誇る最新鋭のE5系「はやぶさ」を導入した東北新幹線。JR東の新たな象徴といえる路線となるはずだったが、震災により他の4新幹線(上越、長野、秋田、山形)を含めて、全ての新幹線が運行停止に追いやられた。 翌12日以降、順次運転が再開されたり、再開の見通しが立つ状況になっているが、盛岡-那須塩原間の約400キロが依然再開のめどが立っていない。 ネックとなってい