3.14 という数字が好きだ。 初めて円周率を教わった時、その数字が永遠に続いていくいうことに とてつもない驚きとそういう存在に対しての畏れのようなものを感じたのを覚えている。 子どもの僕には何でもできるかのように見えていた大人たちがこぞって考えてみても、 その答えは見つからないと言っていたのだ。 自分などには到底理解の及ばない存在を知って、 とにかくワクワクした。 でもそのあと、「永遠」がなんとも曖昧な形で残った 3.14 という数字と 宿題やらテストやらでウンザリするほど付き合っていくことになるのだが、 その小数点以下の2つの数字は、 ふとした時に初めの驚きや畏怖の感情を僕に思い出させてくれた。 随分経ってから円周率が 3 になったりしたこともあったけれど、 僕はその頃の子どもたちは計算が楽でいいな、なんて考えもしなかった。 むしろ、数字がスパっと割りきれてしまうことで、 僕が感じてた