作者:ジャンナ ・レヴィン 翻訳:田沢 恭子、松井 信彦 出版社:早川書房 発売日:2016-06-16 2016年2月11日、重力波研究をかねてから支援していたアメリカの国立科学財団(NSF)のお膝元、首都ワシントンで記者会見が開かれ、前年の九月一四日に同国の重力波観測施設LIGOで重力波が検出されていたことが発表された。その存在が間接的にしか証明されていなかった重力波が直接観測され、一般相対性理論の正しさがまたも実証されたのだ。翌日には一般紙の一面を飾ったこのニュースをご記憶の方も多いと思う。今回の検出を、NHK・Eテレの《サイエンスZERO》はそのわずか10日後の放送で早々に取り上げ、《日経サイエンス》誌は翌月発売の号でさっそく詳しく報じた。こうした解説の多くで、そして本書の副題でも、重力波はアインシュタイン“最後の宿題”と紹介されている。 1915年に一般相対性理論の論文を発表した
大阪産業大学の井上昭雄准教授、東京大学の田村陽一助教、国立天文台の松尾宏准教授をはじめとする研究チームは、アルマ望遠鏡を使って、131億光年かなたの銀河に電離した酸素ガスがあることを初めて突き止めました。これは、観測史上最遠方の酸素の発見です。酸素ガスは多数の若くて巨大な星によって電離されていると考えられ、いまだ謎に包まれている「宇宙再電離」を探る重要な手がかりになります。今回アルマ望遠鏡で「宇宙再電離」期の酸素を検出できることが実証されたことで、この謎の解明にアルマ望遠鏡が大きな役割を果たすことが期待されます。 研究の背景 現在の宇宙には様々な元素が存在しますが、今から138億年前のビッグバン直後には、最も軽い元素である水素、2番目に軽いヘリウムと、ごく微量のリチウム(3番目に軽い元素)しか存在しませんでした。より重い元素、例えば私たちにも身近な酸素や炭素―天文学では「重元素」と呼ぶ―は
アルマ望遠鏡が若い星を取り巻く円盤にメタノールを検出した。惑星の誕生現場である円盤にメタノールが発見されたのは初めてのことで、惑星誕生過程における化学反応や、最終的に生命の誕生にもつながるような化学反応の理解を助けるものといえる。 【2016年6月17日 アルマ望遠鏡】 地球から約170光年の距離にあるうみへび座TW星は、惑星が誕生する円盤(原始惑星系円盤)を持つ星としては最も地球に近い星であり、40億年以上前の太陽系とよく似ていると考えられている。 オランダ・ライデン天文台のCatherine Walshさんたちの研究チームがアルマ望遠鏡を使ってこの星を電波観測したところ、星の周りの原始惑星系円盤に気体状態のメタノールが検出された。メタノールはメタンをもとにして作られる分子で、原始惑星系円盤で見つかったものとしてはこれまでで最も大きな有機分子だ。 うみへび座TW星を取り巻く円盤とその中に
131億光年先に「酸素」があった! アルマ望遠鏡が観測成功 宇宙の謎解明へ 2016/06/17 天文 大阪産業大学、東京大学、国立天文台のチームは 131億光年先の銀河 で「 電離した酸素ガス 」を観測したと発表しました。これだけ離れた場所での酸素の発見は 史上初 となり、さらにこの発見は 宇宙の謎「再電離」を解明する手がかり となりうるそうなんです! 今回研究チームは、くじら座の方向にある 銀河「SXDF-NB1006-2」 をアルマ望遠鏡で観察しました。アルマ望遠鏡とはチリにある「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計」の略称で、 数十台のアンテナ を組み合わせることで ミリ波、サブミリ波を観察 する 一つの巨大な宇宙望遠鏡 として利用することができます。そして観察の結果、酸素の光を検出することに成功しました。 SXDF-NB1006-2の疑似カラー合成画像。緑が酸素、青が水素、赤が
アルマ望遠鏡の観測で、131億年前の宇宙に存在する銀河に、電離した酸素ガスが初めて検出された。いまだ謎である宇宙再電離を探る重要な手がかりになると期待されている。 【2016年6月17日 アルマ望遠鏡】 138億年前、ビッグバン直後の宇宙には、最も軽い元素である水素と2番目に軽いヘリウム(および3番目に軽いごく微量のリチウム)しか存在していなかった。酸素や炭素といったより重い元素は、星の内部での核融合反応によって作られ、超新星爆発などによって宇宙空間にばら撒かれて次世代の星の材料となる。 こうして星の生死が繰り返されると星の内部の重元素量が増えていくので、その量は星形成の歴史を反映するものとなる。とくに宇宙最初期の重元素を探すことは、宇宙で最初の星形成の歴史や銀河の誕生について調べることにつながる。 大阪産業大学の井上昭雄さんたちの研究チームは宇宙最初期の重元素を探すため、くじら座の方向に
今回酸素ガスが検出された銀河SXDF-NB1006-2の想像図。巨大な若い星たちが放つ強烈な光によってガスが電離されている様子が描かれています。 オリジナルサイズ(3.83MB) 大阪産業大学の井上昭雄准教授、東京大学の田村陽一助教、国立天文台の松尾宏准教授をはじめとする研究チームは、アルマ望遠鏡を使って、131億光年かなたの銀河に電離した酸素ガスがあることを初めて突き止めました。これは、観測史上最遠方の酸素の発見です。酸素ガスは多数の若くて巨大な星によって電離されていると考えられ、いまだ謎に包まれている「宇宙再電離」を探る重要な手がかりになります。今回アルマ望遠鏡で「宇宙再電離」期の酸素を検出できることが実証されたことで、この謎の解明にアルマ望遠鏡が大きな役割を果たすことが期待されます。 この研究成果は、Inoue et al. “Detection of an oxygen emiss
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