小柄でエネルギッシュ。本番で感情があふれすぎて指揮台の上をぴょんぴょん跳ねることもある。行く先々のオーケストラで目からウロコの美しい音を紡ぎ出す。ユニークな天才は「庶民代表の指揮者」を自任。仕事場への移動には、もちろん電車を使う。 「電車と歩きが一番、時間を守れますね。車内で人をみていると時代の移り変わりが分かりますし。あ、そうそう。この前ね、ラッシュ時に(東京の)自由が丘駅に着いて『降ります』って言っているのに前の人がどいてくれないの。自由に降りられないなら“不自由が丘”じゃねぇか、ハハッ!」 満員電車の悲哀を分かち合える、親しみやすい指揮者の先生である。 いまでこそエネルギーに満ちあふれているが、枯渇しそうになったときがあった。「43歳のときに半年ほど休みました。あれがなければ死んでいたか、転職していたか」というほど、重要な休養だったと振り返る。 当時もクラシック界の第一線で活躍し、国
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