「ユニバーサル賃貸」と銘打ち、業界ではあまり積極的に取り組まれることのなかったサービスを展開する不動産会社が福岡市にある。掲げるコンセプトは「すべての人に賃貸入居を提案する」。健常者はもちろん、障がい者や高齢者、生活保護受給者、外国人など、一般的に賃貸物件を借りることが難しい人でも入居できるようにサポートしている。 福岡市出身の森田光俊さんは、不動産会社勤務を経て、2009年4月に株式会社ガンツ不動産を開業。「ガンツ」はドイツ語で「全部」を意味し、不動産売買と開発、賃貸物件の仲介を行ってきた。森田さんがユニバーサル賃貸を打ち出したのは、2017年11月のこと。「困っている人を助けたいという福祉的な考えではなく、賃貸物件の入居率を改善したいというのが大きな動機でした」と打ち明ける。 不動産業界では障がい者に対する入居審査が非常に厳しく、「障がい者がスムーズに賃貸物件に入居できるケースは珍しい