写真はアフリカのカメルーン北部の山間地域にある「ディリ」という名前の小さな村です。かつてこの地を旅したフランスの作家、アンドレ・ジイドが「世界で一番美しい村」と称した場所。それがこのディリかもしれない。そんな噂のある村です。 電気もない、水道もない。もちろんテレビもない。村の中央にはひとまたぎで越えられそうな小川がひとすじ。土壁に草葺きの屋根を乗せた住居が濃い緑の中にぽつりぽつりと顔をのぞかせます。家々の周りには家族が食べるだけの穀物が植えられ、食事時になると家々の草屋根からゆっくりと白い煙が湧き出してきます。「なにもないがすべてがある」そんな形容がふさわしい静かで豊かな光景です。 さて、私たちの暮らしはどうでしょうか。経済がいかようであれ、日本に住む私たちの暮らしも豊かでなくてはなりません。地球や資源の限界を自覚し、環境に対する慎ましい配慮も生まれてきたはずの日本です。自然を汚す過ちを犯