手術を伴う腕や脚の骨折に対し、微弱な超音波を当てて回復を早める治療法がこのほど、厚生労働省の先進医療に認定された。骨がくっつくまでの期間を約40%短縮と効果は抜群な一方、なぜ治りが早くなるのかの仕組みは、実はよく分かっていない。 難治性骨折では既に保険診療が認められており、条件付きとはいえ適用拡大され診療費の一部に健康保険が使える先進医療となったことで、さらに普及するとみられる。 ▽胎児診断レベル この先進医療の実施施設第1号となった帝京大の松下隆教授(整形外科)によると、超音波の出力は、胎児や肝臓などの診断に使うものと同レベルで、患者は当たっているかどうか全く分からない。1万分の2秒出て1万分の8秒止まる断続的な照射のため「低出力超音波パルス」と呼ばれ「人体への悪影響はない」(松下教授)。 治療装置の本体は新書本を2冊重ねた程度の大きさで、治療ヘッドを骨折部位に向けて皮膚に当てる