賃貸アパートから新築マンションに越した時、こんな未来になるとは思っていなかった。 最初からなぜか不満が募った。妊娠後、拍車がかかった。暇そうにしている夫が許せなかった。 子どもが生まれて絶望が増した。なぜ子どもを望んだのだろう。 西向きリビングの日差しと富士山が恨めしかった。空に流れる雲はすべて“地震雲”に思えた。 仕事復帰後、家事負担の重さに辟易した。 会社の仕事をさばくため、家で本格的に仕事をやりだしたところ、 最初はスムーズに捗ったが、やがて回らなくなった。 引っ越せば嫌なことがすべてなくなると思い、 いろいろと調べた。毎回、夫が反論し、何度も方針転換し、あちこちに問い合わせた。 今の家が賃貸で借り手がつけば住み替えられる。過去の取引実績から 難しいことはないと考える。夫はそれが皮算用という。 賃貸で3か月募集し、借り手がつかなければ売却すれば済む話だ。 どちらにしても資金的には問題