スウェーデン・アカデミーは5日、今年のノーベル文学賞を、長崎市生まれの英国人小説家カズオ・イシグロ氏(62)に授与すると発表した。イシグロ氏の最新作「忘れられた巨人」など8作品の翻訳書を出版している早川書房の早川浩社長(75)は同日に会見し「近年候補に挙がり、近いうちに受賞されると思っていた。涙が出るほどうれしい」と語った。 【写真】自身が原作のTBSドラマ「わたしを離さないで」に主演した綾瀬はるかと、ロンドンで対談した際のイシグロ氏 早川社長がイシグロ氏の作品に感銘を受け、2001年に交渉して版権を獲得。15年には早川社長の長男の結婚式でイシグロ氏が仲人を務めた。日本語もある程度理解できるが、会話は全て英語。食事の席では周囲に気遣いを忘れない。家族思いで「娘も作家になるんだと言って喜んでいた」という。意外にも「ヤクザ映画好き」という一面もある。同社の仲介で、村上春樹氏とも交流を深めている