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2017年3月5日のブックマーク (15件)

  • 心の救急箱『自分で心を手当てする方法』

    風邪を引いたらどうするか? もちろん、暖かくして栄養睡眠をしっかりとる。転んでちょとした擦り傷ができたら、雑菌が入らないように手当てする。なぜか? 風邪をこじらせて肺炎になりなくないし、傷を放置して化膿させたくないから。あたりまえの常識の話だろう。 だが、体のケアは常識なのに、心のケアは省みられていない。書を読んで、そのことに気づかされた。心の救急箱のようなこのは、日常的な「心の傷」を取り上げ、それを手当てするための方法を具体的に紹介する。 たとえば、「同僚に無視されて傷ついたとき、どうするか?」「大切な人がいなくなって辛いとき、どうすればいいか?」など、実際に著者が手当てして、フィードバックを受けた事例が紹介されている。ユニークな相談として、「嘘がごまかせなくなり、これから傷つくのは避けられないが、どうすればダメージを軽減できるか?」というのもあった。 以下の心の傷のそれぞれについ

    心の救急箱『自分で心を手当てする方法』
  • 『平安京はいらなかった 古代の夢を喰らう中世』 - HONZ

    冒頭、著者は「日という国に、あのような平安京などいらなかった」と喝破する。「平安京は最初から無用の長物であり、その欠点は時とともに目立つばかりであった」と。「では、なぜ不要な平安京が造られ、なぜ1000年以上も存続したのか」と著者は畳み掛ける。そう挑発されたら、後はもう読むしかないではないか。とても刺激的な1冊だった。 日は、大唐世界帝国の脅威に直面して立国した国である。白村江の戦いに敗れた倭は、明治時代の鹿鳴館政策と同じように、国をあげて背伸びをし、唐と同じ胡服に身を包んで律令国家を目指していく。日という国号、天皇という称号、日書紀という国書、全てが唐に対峙する目的で整備されたといわれている。藤原京、平城京、平安京と続く都も決してその例外ではない。 豪族たちを根拠地から切り離して京に集住させ中央集権体制を速やかに固める必要性にも迫られてはいたが、何よりも、平安京は日の天皇の威信

    『平安京はいらなかった 古代の夢を喰らう中世』 - HONZ
  • 『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』失敗と、どのように向き合うのか? - HONZ

    書の帯に、「英タイムズも絶賛!22ヵ国刊行の世界的ベストセラー、ついに日に上陸!」とあるので、その言葉に釣られて買ってみたが、確かにその通りの素晴らしい内容だった。 『失敗の科学』というタイトルからは、直ちに「失敗学」を連想する。これは、『失敗学のすすめ』 で有名な東京大学の畑村洋太郎名誉教授が提唱した新しい学問分野で、起きてしまった失敗に対し、責任追及のみに終始するのではなく、物理的・個人的な直接原因と背景的・組織的な根幹原因を併せて究明しようとする、安全工学に経営学などの要素を加味したものである。 しかしながら、書はこうした失敗の工学的メカニズムを明らかにするだけでなく、更に「人間が失敗から学んで進化を遂げるメカニズム」に焦点を当て、我々が進化を遂げて成功に至るカギは、「失敗とどう向き合うか」にあることを明らかにしている。 書では、まず航空業界と医学界という二つの業界を取り上げ

    『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』失敗と、どのように向き合うのか? - HONZ
  • なぜ薬物依存が減らないのか『ドラッグと分断社会アメリカ 神経科学者が語る「依存」の構造』 - HONZ

    薬物依存には大変恐ろしいイメージがある。一度でも手を出せば最後、もはや依存から逃れることは叶わず万難を排して薬を手に入れることに邁進し、捕まってもやめることはできない──。 確かにコカインやマリファナといった薬物には”依存”はある。だが、世間一般に流布しているイメージは科学的に正確とは言い難いものだ。違法薬物による依存とはどのような種類の依存なのか? 依存に陥らない状況もあるのか? という点について、ただ闇雲に恐れるのではなく科学的に検証する必要がある。書は、アメリカの貧しい黒人居住地区で生まれ、幼少─青年時代を”薬物”と身近な日々を過ごした神経科学者による、”正しく怖がる”ための薬物教育の一冊である。 邦題と違い原題は『High Price: A Neuroscientist’s Journey of Self-Discovery That Challenges Everything

    なぜ薬物依存が減らないのか『ドラッグと分断社会アメリカ 神経科学者が語る「依存」の構造』 - HONZ
  • 『映画と本の意外な関係』 メグ・ライアンのサンドイッチ - HONZ

    書を読んで、映画とともに過ごした20代を思い出した。恋もしていた。それはまるで『紀州のドンファン』(栗下直也のレビューはこちら)のような季節だった。・・・と、そんなことを書きたかったわけではない。読後に起きた、生活の変化について書きたかったのだ。 私は、遅ればせながらAmazonプライムに登録し、スマホの通信容量をあげて、会社の行き帰りの電車の中で映画を観るようになった。小さい子供がいると家で映画を観る時間がないため、通勤電車なのである。 それは、めくるめく変化だった。いま、アメリカ社会は大きく揺れ動いている。かの国の文化への関心が、自分史上最高に高まっている時期である。行きと帰りの約1時間。2日で1。完全に映画にハマってしまった。 これまで、ネット記事のチェックに使っていた時間が、映画鑑賞の時間に替わった。使ってなかった脳を使っている感じがする。しかも、漫然と観ていた20代とは異なる

    『映画と本の意外な関係』 メグ・ライアンのサンドイッチ - HONZ
  • 「おとぎ話」は、いまも女性作家をインスパイアし続けている:エイミー・ベンダー最新作を語る

  • 『なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか』私たちの心には、保守化の虫が巣くっている - HONZ

    なぜ異なる文化・価値観をもつ者を傷つけてしまうのか? こんな心理学の実験がある。 ある女性が売春の罪で起訴され、留置所から保釈されるのを待っている(という架空の裁判事例の実験だ)。この実験に参加した実在の判事たちは、2つのグループに分かれていた。一方のグループは、売春婦に標準的な保釈金を課したが、もう一方のグループはその9倍以上にもなる高額な保釈金を求めた。 判事とは公正で理性的な判断を旨とする仕事だ。それなのに、何がこれほど大きな差をもたらしたのだろう?  実は高額な保釈金を課した判事たちは、こうした判断をくだす前に、あるアンケートに答えていた。そのアンケートの中には、「死」にかかわる質問が入っていた。一方、標準的な保釈金を課した判事たちには、このような質問はされなかった。 死を思い起こさせられることが、判事たちの価値観(法律を守ること)を、さらに

    『なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか』私たちの心には、保守化の虫が巣くっている - HONZ
  • 『社史の図書館と司書の物語―神奈川県立川崎図書館社史室の5年史』 - 図書館小町

    社史の図書館と司書の物語―神奈川県立川崎図書館社史室の5年史 作者: 高田高史出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2017/01/01メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る 神奈川県立川崎図書館の司書である著者が、社史担当の5年間の実践を振り返りながら紹介しています。 私自身は、2012年の11月、神奈川県立図書館および県立川崎図書館の機能集約・廃止の検討についてのニュースがあったことをきっかけに、神奈川県立川崎図書館を訪問したことがあります。*1 その時に、社史室にも立ち寄りました。ちょっと入りにくい感じの狭い部屋で、書架いっぱいに、様々な社史がぎっしり詰まった空間があったことを思い出します。白黒ですが、p.7に社史室内の様子を紹介した写真が載っています。 新聞連載「社史をひもとく」、大阪府立中之島図書館と共催で行った「社史グランプリ」、社史ができるまで講演会、社史室情

    『社史の図書館と司書の物語―神奈川県立川崎図書館社史室の5年史』 - 図書館小町
  • 「トランプ氏と闘う」 英有名俳優が市民権を申請

    ワシントン(CNN) 人気映画の「スター・トレック」や「Xーメン」シリーズなどへの出演で知られる英国俳優パトリック・スチュワートさんは5日までに、トランプ米大統領の政治と「闘う」ため米市民権を申請したことを明らかにした。 米ABCテレビの番組に登場して述べた。「スター・トレック」の艦長役として人気を得たスチュワートさんは、トランプ大統領は「私の大統領ではない」と指摘。「米市民権を保持していない」と述べた上で、米大統領選の結果を受け、なすべき唯一の善行と考えて米市民権の取得を求めたと強調した。米国人になることへの望みもあるとも語った。 また、ワシントンにいる友人全員が現在取り組むべきことは「闘い、反対し続けることのみ」との決意を示したことも明かした。 スチュワートさんは先月、ワシントンを訪れた際の最初の夜に人生で最悪の眠りを経験したとツイッターで紹介。トランプ大統領の就寝場所から300ヤード

    「トランプ氏と闘う」 英有名俳優が市民権を申請
  • 『子どもの死を祈る親たち』魂の叫びは届くのか! - HONZ

    約二年前、長期間ひきこもり、家族に暴力をふるう子供を説得し、精神病院へ移送するという仕事について記した『「子供を殺してください」という親たち』(新潮文庫)が上梓された後、大きな反響があったそうだ。「子育てのノウハウを教えてほしい」という相談に対し著者の押川剛は言う。 私が得意とするのは、壊れてしまった家族への危機介入であり、子供を立派な人間に育てるためのプロフェッショナルではありません 書は子育て論ではない。押川の仕事は、目の前にいる瀕死の状態にある人と家族に対して、医者のように治療を模索し回復を手助けすることなのだ。 治癒が望めない場合はその時点での最善を尽くす。それには人と家族とを強引に縁を切らせたり、家を含め家財道具を一切売り払って住み慣れた場所を引き払ったりさせることも多い。「精神障害者移送サービス」を始めて20年の経験から、押川には解決策が見えるのだろう。 とくに今回は「子

    『子どもの死を祈る親たち』魂の叫びは届くのか! - HONZ
  • SFは警鐘を鳴らしていた、「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」を叫ぶリーダーに

  • 戦時中、兵士たちに夢をみせた元アイドル。97歳「まっちゃん」に話を聞いた

    Search, watch, and cook every single Tasty recipe and video ever - all in one place! News, Politics, Culture, Life, Entertainment, and more. Stories that matter to you.

    戦時中、兵士たちに夢をみせた元アイドル。97歳「まっちゃん」に話を聞いた
  • 小説仕立ての図書館学 捜査協力要請、差別本…さまざまな場面を想定し 元太宰府市民図書館長坂井さんが出版 [福岡県] - 西日本新聞

    小説仕立ての図書館学 捜査協力要請、差別…さまざまな場面を想定し 元太宰府市民図書館長坂井さんが出版 [福岡県] 県立図書館司書や太宰府市民図書館館長を務めた坂井暉(あきら)さん(81)=春日市=の著書「図書館つれづれ草」(樹村房)が、図書館関係者らの間で「面白い」と評判になっている。副題は「ライブラリアンシップを考える現場ストーリー集」。さまざまな問題に直面する図書館人のあるべき姿を小説仕立てで描いた。  14編の物語で構成。その1は「チーフ、警察の方が見えています」で始まる。県立図書館に来たのは県警捜査1課長。殺人事件に使われた凶器が電話帳の複写物で包まれており、それを複写した人物の名を記した「複写願い」を見せてくれと要請に来たのだ。  「重要な証拠品になるかもしれない」と言う1課長に、チーフ司書の中原は「人のプライバシーに当たり、お見せできません」と断る。「館内を捜索しますよ」と

    小説仕立ての図書館学 捜査協力要請、差別本…さまざまな場面を想定し 元太宰府市民図書館長坂井さんが出版 [福岡県] - 西日本新聞
  • 「ぬいぐるみお泊まり会」が子どもの読書活動に与える効果(文献紹介)

    「ぬいぐるみお泊まり会」が子どもの読書活動に与える効果について調査した論文が、2017年2月28日、Heliyon誌で公開されました。 岡山大学大学院教育学研究科の岡崎善弘講師らによる共同研究グループの調査で、3歳から5歳の幼稚園児42人を対象に、お泊まり会前後での子どもの読書活動の変化を調べたものです。 お泊まり会前は、ぬいぐるみに対して絵の読み聞かせをする子どもが2人しかいなかったのに対し、ぬいぐるみを子どもたちに返した当日は、21人の子どもがぬいぐるみに読み聞かせを行っており、能動的な読書活動が増えたとのことです。 一方で、お泊まり会後3日経つと、読み聞かせをする子どもの数が4人に減っていることから効果が続く期間は3日程度と短いこと、お泊まり会から1カ月後、子どもたちにお泊まり会のエピソードを思い出させると、その前後で読み聞かせをする子どもの数が再び増加することも指摘されています。

    「ぬいぐるみお泊まり会」が子どもの読書活動に与える効果(文献紹介)
  • 寄贈本1万6千冊を10年間放置 岡山・高梁市教委、遺族要請で全て返還 (山陽新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

    岡山県高梁市の市教委に2006年に贈られた「万葉集」や備中松山藩の儒学者山田方谷に関する郷土資料などの書籍約1万6千冊が10年間にわたり放置され、寄贈者の要請を受けて市教委が昨年3月に返還していたことが、山陽新聞社による市への情報公開請求で分かった。寄贈したのは高野山大(和歌山県)名誉教授だった故藤森賢一さん=同市出身=の遺族で「利用されず残念」としている。 藤森さんは高梁高などで国語を教えた後、同大文学部教授を務めた。大学勤務の傍ら専門家を招いた国文学や医学などの無料講座を市内で開いた。05年に75歳で亡くなった後、遺族が「源氏物語」「チェーホフ全集」といった古典、国文学、外国文学のほか、絶版になった哲学や仏教の専門書など計1万6435冊を寄贈した。 市教委によると、通常、蔵書登録した寄贈はおおむね1カ月以内に貸し出す。藤森さんの書籍は当時、約7万冊を収蔵していた高梁中央図書館の蔵

    寄贈本1万6千冊を10年間放置 岡山・高梁市教委、遺族要請で全て返還 (山陽新聞デジタル) - Yahoo!ニュース