兵庫県丹波市の能楽師、大倉流小鼓方の上田敦史さん(47)が、疫病封じの妖怪として人気を集める「アマビエ」を題材にした新作能を書き上げた。その名も「アマビエ」。今後、兵庫県内のプロ能楽師が作品を演じた動画を配信する予定という。新型コロナウイルスへの不安がいまだ社会を覆う中、上田さんは「今こそ芸能が頑張らないと」と意気込む。(真鍋 愛) ■来月動画撮影 無償公開へ コロナの影響で、舞台の予定が相次いで流れたという上田さん。ピンチをチャンスに変えようと、空いた時間で新作能の創作に取り組んだ。地元の版画家、渡辺トモコさん(49)=同市=が手掛けたアマビエのポストカードを見てイメージを膨らませ、5月中旬に1日で書き上げたという。主役もアマビエと名付けた。 物語は冒頭、大臣の語りで進行する。主役アマビエの「私の姿を書き写して世の中に広めれば、疫病が退散する」という教えに従うと、病が収束。大臣は感謝の舞