図書館であの人に再会 「初心・・・・大事だよなあ、やっぱ」 徹は控室の壁に貼ってある「初心忘るべからず」の言葉を頭の中で反芻しながら「ラッキー園」の外に出た。 午後3時過ぎ、冬の空は晴れているとはいえ、どこかグレーの色合いを漂わせつつあった。この時間帯は「中華・ぶんぺい」には暖簾は掲げられていない。午後5時までは休息時間なのだ。 徹は向かい側の道路に「中華・ぶんぺい」の店舗を見ながら、そのまま真っすぐに●●駅へと向かった。10分も歩けば駅に到着するが、「ラッキー園」で仕事を始めてから、徹は駅近くの図書館に寄ることが増えていた。新聞を読めるからだ。 図書館はまだ建築されてそれほど時間が経過していないのか、新築の匂いがする。館内には学生や主婦や子供、そしてなぜかおじさんたちが多い。おじさんたちには定年した人や失業中の人が混じっているだろうなと徹は思う。 徹はいつものように新聞がストックしてある
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