※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。 金草鞋. 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション 【翻刻】 中之巻 愛宕山《あたごさん》 神明より増上寺へ参詣し、それより愛宕へ参りける。 山上より品川沖を一目に見渡し、風景言葉に尽し難し。 千久羅坊、此の男坂を登るとて 狂 天狗旗《てんぐばた》 程に愛宕《あたご》の 坂さあへ よんこやくとう 上がるだんべい 狂 金/玉のう 吊るくしながら 坂さあで ぶらりへこしハ だらかしにけり 案内 「馬喰町のアタゴ屋[旅籠屋《はたごや》]から、アタゴた[「あちゃこちゃ」または「あちこち」]出掛けて愛宕へ来たら、腹が減つた、アタゴ[穴子《あなご》]の蒲焼きで茶漬りたい物だ」 「女がこの坂を上がつたら、さぞ濡れて良かろう」 【現代語訳】 中之巻 愛宕山《あたごさん》 芝の神明宮から増上寺に参詣し、それから愛宕山に