今日は「母の日」。僕が東京の下町出身である母親から受け継いだものは、リベラル的な町人気質と料理好きの血筋です。特に、後者は精神的な豊かさにつながっており、深く深く感謝しています。 「おふくろの味」=濃いしょうゆ味 母親は、東京都荒川区の商人の家庭で生まれ育ち、国家公務員の父親と結婚。料理が得意で毎日の食事の支度に飽き足らず、近所の弁当屋さんなどで働いていました。遠足や運動会といったイベントでもよく弁当を作ってくれました。ただ、味付けが濃いなと子どものころから思っていました。 一般に東北地方の家庭料理は味付けが濃いといわれますが、東京の濃いしょう油味もかなり特徴があるのではないでしょうか。旅行先で食事をすると、いかに自分の家の味付けは品の良くないものかが顕著にわかりました。自分の料理の出発点は、こんな風に作ってはどうかといった批評もしくは提案のようなものです。 決して母親の味を受け継ぎたいか