昭和の根っこをつかまえに 第1回「性生活報告」の巻 北尾トロ すでに昭和は遠くなりにけり、である。たいていのものは、平成の世にマッチ した装いをして、違和感なく存在している。 しかし、なかにはいまなお昭和臭さをプンプンさせ、強烈な存在感を発揮して いるものがある。根っから昭和育ちなのでいまさら変身しようがない、といった ほうがいいかもしれない。 ぼくはそういう武骨な物件が好きなんだけど、放っておいたらある日突然なく なってしまいそうで心配だ。そこで、“正体不明のオーラ”を放つ彼らの、根っ こを掘りに行くことにした。 『性生活報告』には昭和のエキスがつまっている 第1回目は、書店の片隅でニブい光を周囲にまき散らしている投稿雑誌『性生 活報告』である。といっても、こういうのは知ってる人はよ〜く知ってるけど、 知らない人がほとんどだろう。どういう雑誌かというと、そのまんまです。読者 が自らの性生