主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)開幕に先立ち、米国とその同盟国は、中国とロシアが支持取り付けに動く「スイングネーション」を味方に引き入れるため、一層努力が必要と認識していた。サミットでは、今後待ち受ける長い道のりがあらためて浮き彫りになった。 ロシアのプーチン大統領がウクライナでの核兵器使用の威嚇を繰り返す状況で、78年前の1945年に世界で初めて原子爆弾が投下された広島市で開催された今回のサミットは、核の恐怖の実相を発信する機会となった。ウクライナのゼレンスキー大統領も電撃的に対面で出席し、ロシアによる侵攻に中立的、時に曖昧なスタンスを取るサミット拡大会合の招待国首脳に直接アピールする機会を得た。 過去数年と比べて正しい方向に向かっていると西側の一部当局者は言うが、それでもG7にとって具体的成果を見いだすのは難しい。