京都大で見つかった傾斜計=ジェームズ・モリ教授提供 地球は、月と太陽の引力でゴムまりのように伸び縮みする変形を繰り返している。この変形を100年前に日本で初めて観測したドイツ製の傾斜計が、京都大の敷地のがらくたの下から見つかった。由来を調査した国際高等研究所(京都府木津川市)の竹本修三フェローは「戦争中につぶされ金属資源にされたと思っていた。歴史的な装置が見つかってうれしい」と喜んでいる。 京都大防災研究所のジェームズ・モリ教授らがこの夏、上賀茂地学観測所(京都市北区)のがらくたの山の中から見つけた。直径50センチほどの釜のような円筒の中に、地面の傾きによってわずかに動く棒やその動きをとらえるための装置が入っていた。細かい部品は見つかっていない。 竹本フェローによると、この傾斜計は19世紀に作られたドイツ製。日本の地震学の基礎を築いた大森房吉(おおもり・ふさきち)(1868〜1923