◇安静が第一 痛み引いたら適度な運動を スーツを着ようとすると右肩が痛くて上がらない。寝るとき、右半身を下にすると痛む。東京都大田区の男性会社員(43)は、昨年秋からこんな症状に悩まされた。痛みは次第に増し、今年3月、近くの病院で診察を受けた。レントゲン撮影では骨折は発見されなかった。炎症や上腕骨と肩甲骨をつなぐ腱板(けんばん)の断裂もなかった。 医師から「これといった異常はない。典型的な五十肩ですね」と言われ、痛み止め薬と湿布を処方された。同時に、「痛みがやわらいだら意識的に肩を動かしてください。今回のように半年も放置しないように」と注意された。男性は「異常がないのに強い痛みを伴う。不思議だ」と思った。 ●江戸時代から このような症状は、「四十肩」「五十肩」と呼ばれる。江戸時代中期の辞書には「五十腕」という項目があり、「五十腕とも五十肩ともいう。また長命病という」と説明されている