“グーグル”だとか“アマゾン”だとかでIT関連本だと思って手に取ってもみない人がいたとしたら、ちょっともったいない。第1章のタイトル「多様化が引き起こす一極集中現象」というのが、この本の趣旨を端的に表わしている。“多様化”が“一極集中”を引き起こすとはそもそも矛盾した表現なのではないのか、それはどういう意味なのか……と、この章題を見てピンと来ない人は、この本を読む価値があると思う。ウェブを支える技術にではなく、ウェブ上での言説のやり取りや世論(に見えるもの)の形成プロセスなどに充分関心があり、そうしたことどもに関わる“事件”をウォッチしてきている人には、この章題が言わんとしていることがなんとなく直覚できるはずで、そういう読者にとっては、「こういう見かたもアリかな」くらいの本だろう。ひとつのパースペクティブから整理してくれているのはたしかだから、「とくにウェブが生活の一部になっているわけでは
![『グーグル・アマゾン化する社会』(森健/光文社新書) - [間歇日記]世界Aの始末書](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d3ba234a1f6f19c9613aecffcab3140597afaf21/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fray-fuyuki.air-nifty.com%2F.shared-cocolog%2Fnifty_managed%2Fimages%2Fweb%2Fogp%2Fdefault.png)