ブックマーク / realsound.jp (62)

  • アイドルが運営に恋をしてしまったら…? 姫乃たまがPIP総合プロデューサー濱野智史に問う

    濱野智史さんは、近年のアイドルブームを終わらせます。少なくとも私はそう思っています。 夏のはじめ頃、濱野さんが「誰でもアイドルになれる」をコンセプトに、アイドルグループの運営を始めるらしいという話を聞きました。AKB48を発端とする「会いに行ける」アイドル戦国時代が幕をあけてから、アイドル人口は人たちも把握できないほど、爆発的に増加しています。業界で埋もれないように、奇をてらったコンセプトのアイドルも次々に誕生しました。過激なパフォーマンス、奇抜な売り出し方、意外な分野とのコラボレーションも、もはや珍しくありません。 その中で、誰でもアイドルになれるというコンセプトには、個人的に引っかかるところがありました。いま、アイドル当に、誰でもなれます。それは、アイドルを志したことも、技術もない自分自身が、地下アイドルとして数年間活動できたことで痛感しています。続けることに比べれば、アイドル

    アイドルが運営に恋をしてしまったら…? 姫乃たまがPIP総合プロデューサー濱野智史に問う
  • ワム!には日本人ゴーストライターがいた? 西寺郷太が「ノンフィクション風小説」で描く真実とは

    ワム!「ラスト・クリスマス」のメロディは実はゴーストライターの手によるものだ。おまけにそのゴーストは日人である――。 すべての発端はそんな与太じみた噂だった。 作者である西寺郷太がその噂を耳にしたのは2008年、DJとして参加した島根県でのイベントの帰りに、岡山駅へ足を伸ばしたときのことだった。目的は「大幸」という有名焼肉店と、29歳という若さで飲店を多数経営するかたわらイベントオーガナイザーとしても活躍していた阿野君に会うことだったのだが、座が暖まった頃、阿野君が思い出したように件の噂を漏らしたのである。 最初は鼻で笑っていた西寺だったが、かすかな引っかかりを覚える。 西寺はノーナ・リーヴスのヴォーカルである一方で、ポップ・ミュージック研究家の顔も持っている。その真摯な追究スタイルと該博な知識は『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(新潮文庫)、『マイケル・ジャクソン』(講談社現

    ワム!には日本人ゴーストライターがいた? 西寺郷太が「ノンフィクション風小説」で描く真実とは
  • アイドルソングはどのように作る? 濱野智史とCHEEBOWによるPIP楽曲ミーティング

    TwitterやUstreamなどを使った企画講座などを行っている「ツブヤ大学」のイベントとして『濱野智史&CHEEBOW、楽曲ミーティングなう! #PIP』が、8月8日に渋谷「The SAD cafe STUDIO」にて開催された。 同イベントは、気鋭の批評家/情報環境研究者でありながら、重度のアイドルヲタクとしても知られる濱野智史氏が、自身がプロデュースするアイドルグループプロジェクト「PIP(Platonics Idol Platform)」のオリジナル曲作成を、週末音楽家のCHEEBOW氏に依頼、そのミーティングの模様を公開するというもの。 業はiPhoneなどiOS系のアプリ開発者で、じつは音楽的なバックボーンがほとんどゼロにも関わらず、「愛乙女★DOLL」などの人気曲を手がけてきたCHEEBOW氏は、どのようにしてアイドル楽曲を制作しているのか。そしてPIPの初オリジナル曲は

    アイドルソングはどのように作る? 濱野智史とCHEEBOWによるPIP楽曲ミーティング
  • アイドルが売れるには厄介オタも必要!? 姫乃たまが濱野智史に“ガチ恋の心理”を尋ねる

    貴重な休日に呼び出した濱野智史さんに、「姫乃たまはどうしたら売れますかね」と聞くと、寝癖のついた髪を揺らして、えっと驚いてから「ああ、なんで売れないんですかね」と呟きました。そもそも売れる気はあるのかと、小一時間問いただしてやりたくなるような、ぼんやりした地下アイドルの私を前に「考えることは好きなんで大丈夫です」と言って頭を抱えてくれました。 いまはアイドルグループのプロデューサーとして活躍している濱野さんも、数ヶ月前までひとりのアイドルオタクであり、さらに数年前まではアイドル文化にあまり理解のない社会学者でした。「アイドルなんか全然好きじゃなかったですよ。童貞がアイドルの手を握りたいからCD買ってるとか思って、むしろ馬鹿にしてました。音楽チャートも握手会やった順になってるし」 最初にAKB48を好きになった時も、画面越しに眺めるだけで、現場に足を運ぶのは抵抗があったそうです。私も地下アイ

    アイドルが売れるには厄介オタも必要!? 姫乃たまが濱野智史に“ガチ恋の心理”を尋ねる
  • 磯部涼×中矢俊一郎 対談新連載「グローバルな音楽と、日本的パイセン文化はどう交わるか?」

    クラブと風営法の問題をテーマにした書籍『踊ってはいけない国』シリーズなどで知られる磯部涼氏と、細野晴臣が世界各地で出会った音楽について綴った『HOSONO百景』の編者である中矢俊一郎氏が、音楽シーンの“今”について独自の切り口で語らう新連載「時事オト通信」。第1回目のテーマは“日のヒップホップ文化”について。アンダーグラウンドシーンにおけるハスラー・ラップのあり方とその変化から、メジャーシーンにクラブ・ミュージックを広く浸透させたEXILE・HIROの戦略まで、日的な“パイセン文化”という視点を軸に語り合った。(編集部) 日のヒップホップとヤンキー文化 中矢:2000年代、日のアンダーグラウンドなヒップホップのシーンではいわゆるハスラー・ラップが流行り、ドラッグ・ディールをはじめとした裏稼業や下層社会の厳しい生活環境をリアルな日常として歌うラッパーたちが目立ちましたよね。SEEDA

    磯部涼×中矢俊一郎 対談新連載「グローバルな音楽と、日本的パイセン文化はどう交わるか?」
  • 伊藤博文は明治時代のトップヲタだった!? 快著『幻の近代アイドル史』を栗原裕一郎が読み解く

    アイドルの起源をどこに求めるかというのはなかなか難問である。「アイドルとは何か」という問いと同様に、何を条件とするかによって答えが変わってくるからだ。1971年の南沙織をアイドル第一号とするのが定説になっているけれど、これにしても仮説がいつしか定着したというだけの話であって、それ以前から「アイドル」という言葉は使われていたし、アイドル的な存在というのもいた。 南沙織=アイドル第一号説の論拠はいくつかあるのだが、一番大きいのは「テレビ(の普及)」だ。つまりメディアにより作られる虚像(とその質)に要点があるということで、映画、ラジオ、レコード……とメディアの変遷を遡っていくと、アイドル的な存在の元祖は、「カチューシャの唄」でポピュラーソング初のヒットを放った松井須磨子に行き着く。「カチューシャの唄」が大流行したのは1914年。ちょうど100年前のことだ。 だが、ということは、メディアという縛り

    伊藤博文は明治時代のトップヲタだった!? 快著『幻の近代アイドル史』を栗原裕一郎が読み解く
  • 5人の論客が語る、アイドルの現状と未来「これはもう完全に単なるブームを越えている」

    雑誌『週刊金曜日』の6月6日号“「アイドル」を守れ”特集を受けたトークイベントレポートの後編。前編【アイドル論者が語る“握手会と現場”の最前線「人の心は金で買えないけど、ヲタの心は“握り”で買える」】では、中森明夫氏と倉さおり氏が司会を担当。濱野智史氏、宗像明将氏、姫乃たま氏が登壇し、アイドル現場の最前線について語り合った。後編では、中森氏と倉氏が司会を継続。評論家の栗原裕一郎氏、ライター・物語評論家のさやわか氏、アイドル専門ライターの岡島紳士氏が登壇し、アイドル評論のあり方から、ネット時代における音楽・出版といったコンテンツ産業の難点、さらにはアイドルカルチャーの世界進出についてまで、広範に議論を展開した。 アイドル評論のあり方について 中森:今、アイドルってすごい人数がいるよね。 栗原:尋常じゃないですよね。下手すると数千人くらいいるんじゃないですか。このたびのアイドルブームで感心

    5人の論客が語る、アイドルの現状と未来「これはもう完全に単なるブームを越えている」
  • アイドル論者が語る“握手会と現場”の最前線「人の心は金で買えないけど、ヲタの心は“握り”で買える」

    雑誌『週刊金曜日』の6月6日号にて“「アイドル」を守れ”と銘打った特集を行ったことを受け、同誌で執筆したアイドル論者たちによるトークイベントが6月12日、荻窪ベルベットサンにて開催された。イベント前編では、アイドル評論家の中森明夫氏と、特集の企画協力をしたライターの倉さおり氏が司会を担当。社会学者/情報環境論者でありながら先日、新生アイドルグループ「Platonics Idol Platform」のプロデューサーとしても活動し始めた濱野智史氏、リアルサウンドでも執筆中の音楽評論家・宗像明将氏に加え、地下アイドル兼ライターとして活躍する姫乃たま氏が登壇。ライブ現場や握手会の最前線について、ざっくばらんに語り合った。 握手会と現場の最前線 濱野:去年の夏ぐらいに鎌倉でやったイベントでBiSと握手したんです。BiSって、あまりルックスを売りにするようなタイプではなくて、メンバー自身も「たまには

    アイドル論者が語る“握手会と現場”の最前線「人の心は金で買えないけど、ヲタの心は“握り”で買える」
    hasetaq
    hasetaq 2014/06/25
    おもしろい
  • 濱野智史プロデュース「PIP」が目指すものは? インディペンデント・アイドルの可能性を探る

    気鋭の批評家/情報環境研究者でありながら、重度のアイドルヲタクとしても知られる濱野智史氏が、自らプロデュースを手がけるアイドルプロジェクト「Platonics Idol Platform」通称「PIP(ピーアイピー)」を、6月15日より始動した。(参考:「みんなが疲弊しないアイドル環境を作りたい」濱野智史が“厄介ヲタ”になりかけて決意) SHIBAURA HOUSEで行われたお披露目イベントでは、計22人のメンバーが3チームに分かれ、AKB48などのカバーを披露。握手会はもちろん、似顔絵描き会といった催しもなされた。 インディペンデントながら「AKB48を人数で越える」といった野心的な目標を抱いた同プロジェクトで、濱野智史氏はアイドル業界に何をもたらそうとしているのか。同氏にあらためてそのコンセプトを語ってもらった。 「PIPは『アイドルを作るアイドル』をコンセプトにしていて、ゆくゆくはメ

    濱野智史プロデュース「PIP」が目指すものは? インディペンデント・アイドルの可能性を探る
  • 栗原裕一郎緊急寄稿 過去のアイドル襲撃例から考えるAKB48襲撃事件

    5月25日、岩手県滝沢市で行われていたAKB48の握手会で、若い男が隠し持っていたノコギリで切りつけ、メンバー二人(川栄李奈、入山杏奈)と、彼女たちを護ろうとしたスタッフ一人が手や頭などを負傷する事件が起こった。 その場で捕り押さえられた犯人は、梅田悟という24歳の無職の男で、現在のところ「人の集まるところで人を殺そうと思ってやった。誰でもよかった」「AKBに特別な思い入れはない」「AKBなら誰でもよかった。切りつけたメンバーの名前は知らなかった」などと供述している。 芸能人が何者かに襲われる事件というのは、付き物といってよいほど過去に何度も起こっており、ツイッターなどでもその日のうちに事例が列挙されていたし、新聞も簡単な一覧を載せていた。どこのネジがどう外れていたかはさておき、ともあれいかれた奴がアイドルを襲ったという現象だけを取り上げれてみれば、今回の事件もまたありふれた一件にすぎない

    栗原裕一郎緊急寄稿 過去のアイドル襲撃例から考えるAKB48襲撃事件
  • “アーティスト”から“パフォーマンス”へ さやわかが「一〇年代音楽」のモード転換を語る

    ライター・物語評論家のさやわか氏が、自身三冊目の単著となる『一〇年代文化論』を、4月24日に上梓した。『一〇年代文化論』は、「次の10年のコアとなるものは、その直前にある」という見立てのもと、2007年頃のカルチャーの変化に目を向けることによって、現段階で2010年代のカルチャーの質を捉えようとする意欲的な書物だ。「残念」という言葉の意味の移り変わりから、アイドルライトノベルのあり方の変化を鋭く評した書は、10年代の音楽シーンを語る上でも示唆に富む内容となっている。そこで当サイトでは、特に音楽シーンにおける10年代の変化について、表現方法やその内容、評価のあり方といった側面から分析してもらうとともに、同氏の書き手としてのスタンスや方法論まで詳しく聞いた。 「残念」なものが、世の中で大事だと思われるように変わった ――書では「残念」という言葉の意味合いが、2007年頃からポジティブな

    “アーティスト”から“パフォーマンス”へ さやわかが「一〇年代音楽」のモード転換を語る
  • 菊池桃子、シティポップの担い手としての魅力とは ラ・ムーの“早すぎたサウンド”も検証

    今年デビュー30周年を迎えた菊池桃子が、音楽活動を精力的に展開している。4月30日には『Miroir -鏡の向こう側に-』以来23年ぶりに新作アルバム『青春ラブレター ~30th Celebration Best~』を発売、最新オリコンアルバムチャートで初登場20位にランクインした。同アルバムには菊池桃子が16~18歳までにリリースした全シングル9曲に加え、ファンからの人気も高い1stアルバム『OCEAN SIDE』より「OCEAN SIDE」を収録。これら10曲は、新たなアレンジを施し再録音されたものだ。さらに作詞を鈴木おさむ、作曲をつんく♂が担当した新曲「青春ラブレター」も収録されている。 また、アルバム発売にともない、27年ぶりに単独ソロコンサートの開催も決定。鈴木おさむが演出を担当するこのコンサートは、5月24日(土)、25日(日)の両日夜の公演はすでにチケットが完売、ファンからの

    菊池桃子、シティポップの担い手としての魅力とは ラ・ムーの“早すぎたサウンド”も検証
  • 「初音ミクを介してローティーンにBUMPの歌が届いた」柴那典+さやわかが語るボカロシーンの現在

    柴那典×さやわか 『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』刊行記念対談(後編) 2014.04.15 19:45 音楽ライターの柴那典氏と物語評論家のさやわか氏が4月6日に五反田のゲンロンカフェで行ったトークセッション『★さやわか式☆現代文化論 第6回『初音ミクの真実!』さやわか×柴那典』の模様を取材。前編【初音ミクはいかにして真の文化となったか? 柴那典+さやわかが徹底討論】では、テレビ論や音楽ビジネスのあり方、電子音楽の系譜における初音ミクの存在について会話が展開した。後編では、教育の現場などに導入され始めているボカロの現状や、ヤンキー文化オタク文化について語り合った。 「初音ミクが『ここにいるんだよ』って歌うときのエモーションに中二病を感じる」(柴) さやわか:これはあえて聞きたいのですが、柴さんは初音ミクが将来的にもっと普及したら、紅白に出たりするようになるというふうに考えていますか

    「初音ミクを介してローティーンにBUMPの歌が届いた」柴那典+さやわかが語るボカロシーンの現在
  • 初音ミクはいかにして真の文化となったか? 柴那典+さやわかが徹底討論

    柴那典×さやわか 『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』刊行記念対談(前編) 2014.04.14 13:00 音楽ライターの柴那典氏が、初音ミクや同人音楽などボーカロイド文化の隆盛について、音楽史的な視点から考察した著書『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版)が4月3日に発売された。今回リアルサウンドでは、同氏が先日4月6日に五反田のゲンロンカフェで行った、物語評論家のさやわか氏とのトークセッション『★さやわか式☆現代文化論 第6回『初音ミクの真実!』さやわか×柴那典』の模様を取材。テレビとネットの境目で発生しているコンテンツの移り変わりや、同人即売会におけるCDの売れ行きなど、様々な話題を存分に語り合った。 「30代より上と10代前半でものすごい文化の断裂がある」(柴) さやわか:こののおかげで、初音ミクについてわざわざ説明しなくても「読んでおいてね」で済むようになったので、非

    初音ミクはいかにして真の文化となったか? 柴那典+さやわかが徹底討論
  • 「みんなが疲弊しないアイドル環境を作りたい」濱野智史が“厄介ヲタ”になりかけて決意

    気鋭の批評家/情報環境研究者でありながら、重度のアイドルヲタクとしても知られる濱野智史氏が、自ら総合プロデュースをする新規結成アイドルグループと、現在のアイドルシーンについて語るインタビュー後編。前編【批評家・濱野智史がアイドルプロデューサー宣言!】では、新グループの目指す方向性や、現在温めている計画について語った。後編では、ライブの現場での経験を通して得た知見から、現アイドルシーンの情勢について、独自の切り口で語り尽くす。 ――AKB48論者としても知られる濱野さんは、一昨年末の『前田敦子はキリストを超えた』出版以降のアイドル界の流れをどのように捉えていますか。 濱野智史(以下、濱野):AKB48に関しては、前回お話した「夢の行き詰まり」の話ともリンクしていて、やはり今の状況は決して楽観的に語れない部分もあるのかと思います。2月24日に行われる「大組閣祭り」には、ファンだけではなく、メン

    「みんなが疲弊しないアイドル環境を作りたい」濱野智史が“厄介ヲタ”になりかけて決意
  • 批評家・濱野智史がアイドルプロデューサー宣言! 新グループのコンセプトを明かす

    気鋭の批評家/情報環境研究者でありながら、重度のアイドルヲタクとしても知られる濱野智史氏が、新規結成アイドルグループの総合プロデュースをすることを発表し、その第一期生を募っている。情報環境に関する研究を専門としている濱野氏がプロデュースするというだけに、IT機器やWEBメディアを駆使した、これまでにないアイドルグループの結成が期待されているが、実際のところ、どのような構想が練られているのだろう。インタビュー前編では、アイドルグループを作ろうと考えたきっかけから、現在抱いている計画まで、大いに語ってもらった。 ——濱野さんはこれまでAKB48や地下アイドルの熱心なファンであることを公言し、『前田敦子はキリストを超えた』などの評論も発表してきました。それが今度、新規結成アイドルグループの総合プロデューサーをつとめることになった経緯とは? 濱野智史(以下、濱野):僕はこれまで評論家をやってきて、

    批評家・濱野智史がアイドルプロデューサー宣言! 新グループのコンセプトを明かす
  • 「DJに求められるものが違う」瀧見憲司が語る、海外のクラブ現場事情

    を代表するベテランDJで あり、自ら音源制作を手がけるアーティストであり、インディ・レーベル「クルーエル」のオーナーでもある瀧見憲司。昨年秋に6年ぶりのミックスCD『XLAND RECORDS presents XMIX 03』をリリースした彼に、クラブ・カルチャーの変遷と現状、DJとしてのこだわり、そしてJ-POPカ ルチャーとの距離感などについて存分に語ってもらった。 筆者が瀧見と知り合ったのは彼がまだ20歳 そこそこで『フールズメイト』誌編集部で働いていたころに遡る。久々にじっくり話した彼は、それから25年以上がたっても、元ジャーナリストらしい冷静かつシャープで明晰な視点を失っていないのが嬉しかった。 ――ー昨年「HigherFrequency」 のインタビューで、「海外のいろんなところでやる機会が増えて、日人としてというか人間としての弱さも実感するけど。どうしても越えられない

    「DJに求められるものが違う」瀧見憲司が語る、海外のクラブ現場事情
  • でんぱ組.inc、私立恵比寿中学、BABYMETAL... アイドルはなぜ「日本武道館」を目指す?

    でんぱ組.incや私立恵比寿中学、BABYMETALなどのアイドルグループが、立て続けに日武道館での単独公演を行うことを発表して話題となっている。そもそもなぜ最近のアイドルグループは武道館公演を目指すのか。 日武道館は来、音楽イベントをするための施設ではなく、音響もそれほど良いとされているわけではない。にも関わらず、武道館公演を目標に掲げるアイドルグループは多く、ベイビーレイズなどは2014年までに武道館公演ができなければ解散をする、という公約さえ打ち出している。 いったいそこにはどんな意味合いがあるのか。アイドルカルチャーに造詣の深いライター・物語評論家のさやわか氏が解説する。 「日武道館がミュージシャンにとってある種の聖地になっているのは、1966年のビートルズ日公演が武道館で行われたことを皮切りに、多くの有名ミュージシャンが武道館で公演を行ってきたからでしょう。もっとも、ビ

    でんぱ組.inc、私立恵比寿中学、BABYMETAL... アイドルはなぜ「日本武道館」を目指す?
  • 「小室哲哉は地方のマーケットを見抜いた」速水健朗がJPOP激動期としての90年代を分析

    TRF『TRF 20th Anniversary BEST SINGLE Collection × EZ DO DANCERCIZE (ALBUM+DVD)』(avex trax) 先日、新著となる『1995年』を出版した速水健朗氏。同書では戦後史の転機となったこの年の出来事を政治・経済・社会・文化と「横に読むこと」に試みている。前回のインタビュー『速水健朗が語る"1995年”の音楽シーン「中間的な領域に面白い音楽がたくさんあった」』では当時の東京における音楽シーンについて語ってくれた彼に、今回は地方の状況とヒットチャートの関わりについての話を中心に訊いた。 ――1995年に最も売れたシングルはDREAMS COME TRUEの『LOVE LOVE LOVE』でした。 速水健朗(以下、速水):ドリカムは出てきたときと売れてきたときで印象が異なる存在で、「うれしはずかし朝帰り」で出てきた時は

    「小室哲哉は地方のマーケットを見抜いた」速水健朗がJPOP激動期としての90年代を分析
  • 速水健朗が語る"1995年”の音楽シーン「中間的な領域に面白い音楽がたくさんあった」

    2007年に『タイアップの歌謡史』で単著デビューを果たし、専門のメディア論や都市論のみならず音楽や文学、格闘技など幅広い領域を独自の視点で鮮やかに描き出す気鋭のライター、速水健朗。そんな彼が先日ちくま新書より最新作『1995年』を刊行した。1995年といえば阪神大震災やオウム事件といった歴史的惨事が起こる一方、ウィンドウズ95の発売などでインターネット元年とも呼ばれ「何かの終わり」「何かの始まり」と形容される年。戦後史の転機とも言われる1995年は音楽シーンにとってどんな意味をもった年だったのだろうか?  地元の新潟から上京し大学生だったという速水氏に当時のシーンを振り返りつつ、改めて論じてもらった。 ――新書の『1995年』の中でも、当時のJPOPについて書かれています。 速水健朗(以下、速水):1995年は、JPOPの全盛期なので当時のヒット曲の分析とかを割と紙幅を割いて書きました。ド

    速水健朗が語る"1995年”の音楽シーン「中間的な領域に面白い音楽がたくさんあった」